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「学生とは違う、プロ意識を持って」 VS大学で必要だった完全V、トヨタ自動車に実業団のプライド

「絶対に負けられない戦い」がそこにあった。実業団と大学が初めて対戦した「ACN EXPO EKIDEN2025」(エキスポ駅伝)が16日、1970年大阪万博開催地の万博記念公園から2025年大阪・関西万博会場の夢洲までの7区間54.5キロで行われ、トヨタ自動車が2時間32分48秒で優勝。「実業団のプライド」で1区からトップを譲らない圧倒的な強さで「日本一」に輝いた。

エキスポ駅伝で優勝したトヨタ自動車【写真:柳瀬心祐】
エキスポ駅伝で優勝したトヨタ自動車【写真:柳瀬心祐】

史上初の実業団VS大学で行われた「エキスポ駅伝」

「絶対に負けられない戦い」がそこにあった。実業団と大学が初めて対戦した「ACN EXPO EKIDEN2025」(エキスポ駅伝)が16日、1970年大阪万博開催地の万博記念公園から2025年大阪・関西万博会場の夢洲までの7区間54.5キロで行われ、トヨタ自動車が2時間32分48秒で優勝。「実業団のプライド」で1区からトップを譲らない圧倒的な強さで「日本一」に輝いた。

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「負けられないというのが一番。負けたら何を言われるか分からないので」。トヨタ自動車の熊本剛監督は「ホッとしました」と正直に明かした。今年元日のニューイヤー駅伝3位ながら優勝した旭化成が辞退し、2位のHondaも欠場。実業団最上位として、そのプレッシャーは相当なものだった。

 1区から「負けられない」レースだった。任されたのは中大のエースとして活躍し、箱根駅伝1区の区間記録を保持するルーキーの吉居大和。スタート直後にGMOインターネットグループの嶋津雄大が飛び出したが冷静に対応し、残り500メートルで抜け出して1位で2区につないだ。

吉居「1区は勝負の結果がはっきりと分かる。だからこそ負けられなかったし、区間賞をとらなければとプレッシャーもあった。スタート前は正直、怖かった。でも、走り出したら落ち着いた。最後にしっかり上げて、トップでタスキをつなげてよかった」

 2区は順大で活躍した野村優作がつないだ。一度は駒大の吉本真啓に抜かれてトップを譲ったものの、再度追い抜いて2位青学大に12秒の差をつけてタスキを渡した。

野村「状態が上がっていなかったので、後半から行こうと思っていた。学生に追いつかれて驚いたけれど、1位で渡せて最低限のことはできた。3区には太田さんがいたので、安心感はあった」

 最長12.5キロの3区は先月ハーフマラソンの日本記録を更新した太田智樹が強さを見せつけた。安定した走りで新御堂筋を駆け抜け、2位との差を1分11秒に広げて4区に。優勝に大きく近づく走りで、この大会の最優秀選手にも輝いた。

太田「大学生との対戦で、やりづらさは正直あった。でも、どうせなら楽しんで走ろうと思い、それができた。(自動車専用道で)応援がなくて孤独感もあったが、ビルの上や駅のホームから応戦の声が聞こえ、うれしかったし、楽しかった」

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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