「予算ありき」の事業では続かない バドミントン理事・池田信太郎が挑むスポーツの社会的価値向上
バドミントン元日本代表で五輪に2度出場した日本協会の池田信太郎理事が、2月27日に一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)が開催した令和5年度スポーツ庁委託事業「大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」シンポジウムのトークセッションに参加。元プロ野球選手の田中賢介さん、立命館大学の伊坂忠夫副学長と「スポーツ×地域の可能性」をテーマに語り合った。コンサルタントでもある池田理事は、トークセッションに続いて行われた「大学スポーツ資源を活用した地域振興」をテーマにしたパネルディスカッションの内容も踏まえて、「助成金があるからワークする、予算がなければワークしないでは続かない。プロトモデルができ、周りが価値を感じてプロジェクトに対して民間からお金が生まれないといけない。スポーツを通じて解決すべき地域の問題は何か、もっとリサーチが必要。事業をやることがゴールじゃない」と課題を指摘した。
UNIVAS開催のシンポジウムで「スポーツ×地域の可能性」を議論
バドミントン元日本代表で五輪に2度出場した日本協会の池田信太郎理事が、2月27日に一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)が開催した令和5年度スポーツ庁委託事業「大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」シンポジウムのトークセッションに参加。元プロ野球選手の田中賢介さん、立命館大学の伊坂忠夫副学長と「スポーツ×地域の可能性」をテーマに語り合った。コンサルタントでもある池田理事は、トークセッションに続いて行われた「大学スポーツ資源を活用した地域振興」をテーマにしたパネルディスカッションの内容も踏まえて、「助成金があるからワークする、予算がなければワークしないでは続かない。プロトモデルができ、周りが価値を感じてプロジェクトに対して民間からお金が生まれないといけない。スポーツを通じて解決すべき地域の問題は何か、もっとリサーチが必要。事業をやることがゴールじゃない」と課題を指摘した。
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予算ありきの事業は、やがて成立しなくなる。池田理事にとっては、身近に起きている問題だ。
日本バドミントン協会が、困難に直面している。2022年に元職員の公金私的流用が発覚したことを機に、国庫補助金の不正申請も発覚するなど不祥事が続出。ガバナンス体制の問題を解決できず、23年度の国からの助成金20%削減が決定した。23年からサッカーJリーグでチェアマンを務めていた村井満氏(現・会長)を招聘して組織改革を進めており、その過程で池田氏も理事に就任した。
しかし、23年度は24年1月の段階では3億円程度の赤字になる見通し。22年度も約3億7000万円の赤字で、債務超過に陥る可能性が指摘されている。23年12月には日本一決定戦である全日本総合選手権、24年2月には国内最高峰の団体戦であるS/Jリーグが都内で開催されたが、どちらも閑古鳥が鳴いた。組んでもらった予算を使うだけの組織が助成金をカットされれば、財政難に陥るのは当然だ。
2016年のリオデジャネイロ五輪で女子ダブルスの高橋礼華/松友美佐紀(当時、日本ユニシス=現BIPROGY)が日本初の金メダルを獲得して以降、日本は一気に飛躍。世界選手権では、2017年から22年まで、すべての大会で優勝者を輩出。男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)、女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)、女子ダブルスの松本麻佑/永原和可那(北都銀行)は連覇を達成。現在も世界トップレベルの選手を擁する。