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W杯4強のカギはリーグワンにあり? リーチの言葉から探るラグビー日本代表強化の道

リーグワンでのプレー精度向上がW杯躍進のカギ

 ではW杯へ向けて、リーグワンはどのような部分で具体的に代表強化に貢献できるのだろうか。

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「まず今回の代表ツアーで強く感じたのは、接点の強さ、そして空中戦の精度。ティア1の相手には、一瞬の隙を突かれて、ラインブレークされてやられてしまう。その厳しさをBL東京で落とし込んでいきたい。練習中から、自分のスタンダードが下がらないように意識していかないと、なかなか難しい。そこを今回、代表でプレーした3人(ワーナー、中尾隼太)でリードして、チームが優勝できる環境を作っていきたい」

 体作りの面でも、チャレンジを考えている。最近数シーズンは体重を110キロ程度で戦ってきたリーチだが、今秋のテストマッチの体感から、フィジカル強化のために体重増加の必要を感じている。リーグワンのシーズン中に113キロ程度まで引き上げて、今秋からさらにパワーアップしてW杯を迎える計画だ。その一方で、代表チーム、個々の選手とも、ティア1クラスの高いレベルの相手との実戦経験を伸ばせない難しさが、間違いなく残されていることはリーチも認めている。

「(日本代表は)相手によって自分たちのゲームプランが変わる。例えば、キックを使う戦術を使えば、蹴った後の裏のスペースをどう埋めるかなどの課題を仕上げていかないといけない。遠征では一瞬のスキで、(カウンター攻撃で)やられたシーンがあったので、そこはいい勉強になったと思う」

 他国以上に、より組織的に、15人が個々の役割を明確に持ち、忠実に遂行していくことで機能するのが日本代表の戦い方だ。リーチが挙げたように、キックを使った時のポジショニングなど、細かい部分は今秋のイングランド戦、フランス戦の段階では不十分だったのは明らかだ。プレーの精度を代表ではなく、リーグワンのそれぞれの所属チームのゲームで高めていくことは容易ではないが、リーチが語るように、いかに個々の選手が意識を高く持ち続けてプレーできるかは、重要なチャレンジになるだろう。

 それに加えてリーグワン終了後、つまり6月から本格化する代表強化期間のなかで、どこまでチームとしての精度を高めていけるのかが勝負になる。代表選手の所属する各チームの理解もあり、おそらく国内シーズン後の代表チームとしての強化時間は確保できるだろう。その時間で完成度を高めて、ティア2クラスの相手との実戦で試し、仕上げていくのがフランスでの8強突破のロードマップになる。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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