[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

W杯4強のカギはリーグワンにあり? リーチの言葉から探るラグビー日本代表強化の道

強豪国選手の来日ラッシュで上がったリーグワンのレベル

 世界のリーグの流れを見ると、イングランド・プレミアシップ、フランス・TOP14を軸としたヨーロッパ、そしてニュージーランド、オーストラリア中心の南半球のスーパーラグビーが主要なフィールドになっている。その南北半球の狭間で、日本に流れ込んでくる選手も段階的に増えている。15年W杯の南アフリカ代表撃破により、日本でプレーすることのハードルが下がり、19年W杯の成功、そして各国代表選手の大会期間中の日本滞在の経験が、さらに日本を選択肢にしやすい環境を作った。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 リーグワンの玉塚元一理事長が「リーグには、今季も各国代表経験者50名くらいが参加しますが、彼らの平均キャップ数は40くらいになる。相当レベルの高い代表選手がいる」と語るように、世界クラスの選手の流入は続いている。すでに活性化しているW杯後の移籍市場では、大量のトップ選手が日本チームに売り込みを仕掛けているとも聞く。

 このような環境が日本代表クラスの選手のフィジカル、スキル、そして戦術理解の向上などを後押ししているのは明らかだが、リーチはさらに進化には大きな要因があるという。

「いい選手が(海外から)入ってきているのはもちろんだが、何よりもいいコーチ、S&C(ストレングス&コンディショニング)コーチなどスタッフがいっぱい日本に来ている。オールブラックス(経験者)が来ていると言う人も多いが、やはりコーチが日本のラグビーのレベルを上げている。もちろん、今の規約で外国人選手が6人同時に出場できるようになったことも、デカい相手とプレーする機会を広げていますから」

 今季リーグワン1部(ディビジョン1)に参画する12チームでも、8チームで海外の指導者がトップに立つが、顔ぶれを見ると、世界各地の強豪チームや代表チームでの指導実績を持ったコーチばかりだ。日本人指導者が指揮する4チームでも、コーチングスタッフには必ず海外からの人材がいる。世界最先端の戦術や技術、体力強化などの知識をいち早く取り入れ、強化につなげたいという“情報戦”が過熱しているのがトップレベルのラグビーの現実だ。そのような国際級の指導と、強豪国の代表選手の来日ラッシュがリーグワンのレベルを引き上げ、結果的に代表選手の強化にも役立っている。

 日本代表で過去3度のW杯を戦い、トップリーグ、リーグワンで11シーズンプレーしてきたリーチだが、「俺も(入団)1年目、2年目なら相手を吹っ飛ばしてそのまま走れたが、今はできないですね。歳とって弱くなったかもしれないけど、周りのレベルが変わってきたのは確かです」と苦笑交じりに国内リーグの進化を語っている。

1 2 3 4 5 6 7

吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集