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史上2度目の“日本人対決”王座統一戦 拳四朗VS京口、元同級王者が語る勝負のカギとは

ボクシングの元WBC世界ライトフライ級チャンピオンである木村悠氏が、ボクサー視点から競技の魅力や奥深さを伝える連載「元世界王者のボクシング解体新書」。今回は11月1日にさいたまスーパーアリーナで行われる、WBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(BMB)と、WBA世界同級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)が激突する王座統一戦(Amazon プライム・ビデオで独占生配信)の見どころを、ボクシングを普段あまり見ないライト層にも分かりやすく解説する。現役時代に同じ階級で世界王者となった木村氏は、10年ぶりとなる日本人同士の王座統一戦は両者の「距離」が一つのポイントになると指摘している。

寺地拳四朗(左)と京口紘人が激突する王座統一戦の見どころを木村悠氏が解説【写真:浜田洋平】
寺地拳四朗(左)と京口紘人が激突する王座統一戦の見どころを木村悠氏が解説【写真:浜田洋平】

連載「元世界王者のボクシング解体新書」:スタイルが全く異なる2人の王者

 ボクシングの元WBC世界ライトフライ級チャンピオンである木村悠氏が、ボクサー視点から競技の魅力や奥深さを伝える連載「元世界王者のボクシング解体新書」。今回は11月1日にさいたまスーパーアリーナで行われる、WBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(BMB)と、WBA世界同級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)が激突する王座統一戦(Amazon プライム・ビデオで独占生配信)の見どころを、ボクシングを普段あまり見ないライト層にも分かりやすく解説する。現役時代に同じ階級で世界王者となった木村氏は、10年ぶりとなる日本人同士の王座統一戦は両者の「距離」が一つのポイントになると指摘している。

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 ボクシングファン待望の試合がついに決まった。日本の世界王者同士が対戦するのは、2012年のWBC・WBA世界ミニマム級王座統一戦で井岡一翔と八重樫東が対戦して以来、10年ぶりとなる。しかも長い日本ボクシング史を見ても、いまだこの1度しか実現していない。

 寺地と京口は軽量級の世界王者として、長くその座に留まっていた。寺地が初めて世界王座を獲得したのが2017年。一方の京口は、2017年にIBF世界ミニマム級で王座を獲得し、18年にWBA世界ライトフライ級王者となった。ともにプロでの対戦経験はないが、大学時代に拳を交えている。当時の戦績は3勝1敗で寺地が勝ち越しているが、3分3ラウンドで戦うアマチュアと3分12ラウンドで戦うプロの世界では、戦い方も大きく変わる。プロになってキャリアを積み、スタイルも変わっているため参考にはならないだろう。

 年齢も近く階級も同じ両者だが、スタイルは全く異なる。

 寺地はヒットアンドアウェイで、距離を取りながら戦う長距離戦を得意とする。鋭いジャブとキレのある右ストレートで、軽量級ながら一撃で相手を仕留めるキレのあるパンチを持つ。タイミングで倒す勘を持っていて、相手からしたら一瞬も気を抜けない。

 一方の京口は、持ち前のパワーを生かした近距離戦を得意とする。ガードを固めてプレッシャーをかけ、上下にパンチを集めていく。根気強く相手にダメージを与え続け、KOに結びつけていく。前に出る圧力が強いため、近い距離では抜群の強さを持つ。

 ともに強打の選手であるため、KO決着の可能性も十分にあるだろう。

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木村 悠

1983年生まれ。大学卒業後の2006年にプロデビューし、商社に勤めながら戦う異色の「商社マンボクサー」として注目を集める。2014年に日本ライトフライ級王座を獲得すると、2015年11月には世界初挑戦で第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオンとなった。2016年の現役引退後は、株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動、社員研修、ダイエット事業など多方面で活躍。2019年から『オンラインジム』をオープンすると、2021年7月には初の著書『ザ・ラストダイエット』(集英社)を上梓した。

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