羽生結弦のスケートは「一枚の絵のよう」 魅了されたファンが“指”で描いた作品
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#92 連載「氷の絵師たちのエール」第15回
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
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フィギュアスケート界には競技への愛情を絵に込め、選手を後押しするファンが数多くいる。連載「氷の絵師たちのエール」では、そんなファンたちが描いた作品とともに、今大会に出場するスケーターなどへの想いを紹介し、フィギュア熱を広げていく。第15回は羽生結弦を描いた女性ファン「TAMAO」さん。
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羽生結弦は、観る者に何かを与えてくれる力がある。
「羽生選手のアスリート魂とフィギュアスケートにかける情熱、美しい演技に惹かれ、ファンになりました。当時は歯科技工士の仕事をしていましたが、苦しい時、つらい時、羽生選手のスケートに勇気をもらいました」
こう語った「TAMAO」さんがファンになったのは2014年。「羽生選手のスケートは、正しい技術に沿ったジャンプ、スピンやステップ、オールラウンダーな選手で、ひとつひとつがとても美しく一枚の絵のようです」。知れば知るほど、魅力は深まった。
この絵を描いたのは1月初旬。「『SEIMEI』など、どのプログラムも素晴らしいのですが、北京五輪をイラストで羽生選手を応援したかった」。今シーズンのショートプログラム(SP)で演じる「序奏とロンドカプリチオーソ」のシーンを選んだ。
「タロットカードを参考に、好きな画家アルフォンス・ミュシャのような雰囲気で羽生選手を表現したいと思いイメージしました」。羽生が持つ華やかさを表現するため、ラメも使用。羽生の位置、背景を決定するまで何度も構図を変更し、出来上がった力作だ。
子供の頃、チラシの裏に絵を描き始め、学生時代は美術部に在籍。大人になって仕事が忙しくなり、18年ほど絵を離れていた。しかし、羽生選手の演技に感銘を受け、「自分も絵を描いて応援したい」と再び描き始めた。
スマートフォンに「アイビスペイント」というアプリを使い、指で描いた作品。デジタル歴は1年未満。「まだまだ勉強中です」というが、仕事のない週末に没頭してイラスト作りに向き合っているという。
「このイラストは正月休みを使い、10日間くらいで完成する予定でしたが、体調不良や、時間が取れなかった時もあり、予定通りには進まなかったのですが、オリンピックまでには絶対に描き上げると決めて完成させました」
今大会はフリーで果敢に4回転アクセルに挑戦。その勇敢な姿が、胸を打った。
「ずっと取り組んできて、たくさん怪我もして挫けそうになりながら諦めず、頑張ってきた羽生選手の夢である4回転アクセルが五輪で初めて認定されてとても感動しました。記憶にも記録にも残る選手であり、心に残る素晴らしい五輪の演技でした」
ファンの一番の願いは、これからも羽生が羽生らしくあること。「これからもずっと応援しています」。そう「TAMAO」さんも願った。
【私がフィギュアスケートを愛する理由】
「羽生結弦選手をきっかけにフィギュアスケートを観るようになりましたが、たとえメダルを獲れなかったとしても日々努力して、一生懸命に演技する選手たち。いつもそこに感動があり、フィギュアスケートの魅力を教えてもらいました」(TAMAOさん)
※「THE ANSWER」では北京五輪期間中、取材に協力いただいた皆さんに「私がフィギュアスケートを愛する理由」を聞き、発信しています。
(THE ANSWER編集部)