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走るたびに日本記録が注目されるランナー 田中希実が明かす「記録」と戦うメンタル術

陸上女子中長距離の田中希実(豊田自動織機TC)が「THE ANSWER」のインタビューに応じた。全3回にわたってお送りする第2回は、タイム競技における「記録との向き合い方」について。東京五輪では、女子1500メートルで日本人過去最高の8位入賞。22歳にして複数の種目で日本記録を打ち立ててきた。どのように記録と向き合いながら日々の練習に励んでいるのか。中高生にも参考になる言葉を送った。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

昨年5月の東京五輪テスト大会1500mを駆け抜ける田中希実、切っても切り離せない「記録」との向き合い方とは【写真:奥井隆史】
昨年5月の東京五輪テスト大会1500mを駆け抜ける田中希実、切っても切り離せない「記録」との向き合い方とは【写真:奥井隆史】

田中希実の独占インタビュー第2回

 陸上女子中長距離の田中希実(豊田自動織機TC)が「THE ANSWER」のインタビューに応じた。全3回にわたってお送りする第2回は、タイム競技における「記録との向き合い方」について。東京五輪では、女子1500メートルで日本人過去最高の8位入賞。22歳にして複数の種目で日本記録を打ち立ててきた。どのように記録と向き合いながら日々の練習に励んでいるのか。中高生にも参考になる言葉を送った。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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「記録」との戦いを強いられた時、どうやって克服すればいいのか。陸上に限らず、競技スポーツに置いて記録は付きもの。世界で戦うようなトップレベルだけでなく、部活などでも一つの指標とされる。ただ、分かりやすい数字に囚われ、調子を崩したり、怪我に陥ったり、悩む選手は少なくない。

 とりわけ、ランナーにとってタイムの更新は宿命である。田中も切っても切り離せない立場だ。

 2020年7月に非五輪種目の3000メートルで8分41秒35をマークし、福士加代子の日本記録を18年ぶりに更新。同8月にも1500メートルで小林祐梨子の日本記録を14年ぶりに塗り替えた。昨年の東京五輪でも1500メートル予選で日本記録を上回ると、準決勝でも日本女子初の3分台突入となる3分59秒19をマーク。決勝で日本人初となる8位入賞の快挙を果たした。(※3000メートルは2021年7月に自身の記録を更新 8分40秒84)

 五輪後は1000メートルでも更新し、3種目で日本記録を持っている。今、中長距離界で「日本最速」のランナー。周囲の期待や報道陣からの問いなど、否が応でも記録を意識する機会が多い。田中はどう向き合い、戦っているのか。

「毎年の目標として、ずっと自己ベストを出したいと思ってやっています。でも、今後はタイムを出し続けるのが難しくなってくるので、自分の中でタイムに対する折り合いをつけるようにしています。『体がこれぐらいの状態なら、これぐらいのタイムで走れたらいいか』というのも大事。キャリアで自分の最高点はここだと決まったら、それ以上は出ないと思う。今後、その折り合いも必要になってくると思います」

 どんな選手にも成長期があれば、記録が頭打ちになる時期もある。女子選手であれば生理や体形の変化が訪れる。その日の体調に左右されるものなのに、タイムだけで判断すればオーバーワークに繋がりかねない。どこかで「折り合いをつける」のが大切だという。

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