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教員の「部活指導負担」問題は解消できるか やりたい人の“指導する権利”も守る米国

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「教員の部活指導負担」について。

米国の部活動指導の在り方から日本は何を学ぶべきか(写真はイメージです)【写真:Getty Images】
米国の部活動指導の在り方から日本は何を学ぶべきか(写真はイメージです)【写真:Getty Images】

連載「Sports From USA」―今回は「教員の部活指導負担」

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回は「教員の部活指導負担」について。

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 ここ数年、日本では部活動を指導する教員の負担がクローズアップされている。

 教員の負担が浮かび上がってきてからは、いかにして部活動指導をする教員の負担を減らすかが提案され、実行に移されている。現在、すすめられている対策は次のようなものである。外部指導者、部活動指導員の導入、民間委託、そして地域移行化だ。

 しかし、部活動指導に携わる全ての教員が、指導をやめたいと考えているわけではない。例えば、名古屋大学の内田良准教授らの「調査報告 学校の部活動と働き方改革 教師の意識と実態から考える」(岩波ブックレット)によると、およそ3割の教員は部活動指導にストレスを感じておらず、楽しんでいるという。

 これから、やりたくない教員は指導を引き受けなくてもよく、希望する教員は指導を続けることができ、外部からの指導者や民間委託を取り入れ、一部で地域移行することができるようになったら、部活動問題は大きく前進するだろう。しかし、部活動指導を希望する教員と、そうでない教員、外部から適任の指導者を見つけ、うまく配置すること、また、地域と連携することは、なかなかに骨の折れる作業になるのではないか。

 私がそのように思うのは、米国の部活動指導の様子を見ているからだ。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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