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東京五輪の価値を子供にどう伝えるのか 陸上メダリストの答え「前向きに行動する事」

2008年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリストの朝原宣治氏が「THE ANSWER」のインタビューに応じ、東京五輪・パラリンピックの価値を子どもたちにどう伝えていくべきかについて語った。開催に賛否のあった中で迎えた今大会。大人たちは次世代に何を伝えていく必要があるのか。主宰するスポーツクラブで子どもたちと触れ合う機会もある朝原氏に、今の子どもたちの五輪に対する“温度感”とオリンピアンとしてできることを聞いた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

大人が次世代に伝えるべき東京2020の価値とは【写真:近藤俊哉】
大人が次世代に伝えるべき東京2020の価値とは【写真:近藤俊哉】

大人が次世代に伝えるべきこと、陸上・朝原宣治「彼らは想像できない世界を生きる」

 2008年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリストの朝原宣治氏が「THE ANSWER」のインタビューに応じ、東京五輪・パラリンピックの価値を子どもたちにどう伝えていくべきかについて語った。開催に賛否のあった中で迎えた今大会。大人たちは次世代に何を伝えていく必要があるのか。主宰するスポーツクラブで子どもたちと触れ合う機会もある朝原氏に、今の子どもたちの五輪に対する“温度感”とオリンピアンとしてできることを聞いた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 コロナ禍の開催に様々な意見が飛んだ中、五輪・パラリンピックは行われた。世界的祭典を母国で開催したことにどんな意味があったのか。「開催してよかった」というわけではない。開催前から賛否があったとしても、開催されたからには少なからず価値を見出す必要がある。

 朝原氏は、1996年アトランタ五輪から4大会連続で五輪に出場した陸上短距離の第一人者。100メートルでは日本人として初めて10秒1台、10秒0台をマークし、日本記録を3度更新した。36歳で引退後、指導者として2010年4月からスポーツクラブ「NOBY T&F CLUB」を主宰。運動を楽しむことを目的とした小学1年生から85歳までの老若男女、上を目指す全国トップレベルの中高生など幅広く在籍している。

 子どもと直接触れ合ったり、現場を任せたコーチを通じて子どもの様子を知ったりする。まだ五輪真っ只中にいた7月29日。朝原氏に「受け入れられない人もいる中で迎えた今大会の素晴らしさを、子どもたちにどう伝えていくか」について聞いた。「めちゃくちゃ難しいですね」と苦笑いしながら、自分なりの考えを明かしてくれた。

「できることをやるしかない、ということじゃないでしょうか。大会に向けた選手の調整面もそうですし、大会の開催もそうです。去年はインターハイもなかったのが、今年はできるようになりました。できることを考えて、少しずつ前進しているのがすごくいいことだと思います。

 今回の五輪・パラリンピックは強引かもわからないですが、開催した。競技はできていて、選手たちもすごく活躍している。おそらくこれからの子どもたちは、僕らが想像もできないような世界を生きていかないといけないですよね。何が起こるかわからない世の中です。何か起きた時、『自分が何に力を注いで、どんなことができるのか』と前向きに捉える。前向きに考えて行動することは、子どもたちに伝えられることかなと思います」

 今回は未曽有のウイルスだった。これが自然災害、個人的な事故や病気になるかもしれない。困難に直面した時、どうアプローチしていくのか。長い人生において「前向きに考えて行動する」という姿は何においても応用できる。大人が子どもたちに見せられるものの一つだ。

「スポーツ界だけではなく、今は各企業も大変な状況。この五輪・パラリンピックをマイナスに考えようと思ったら、いくらでも考えられます。でも、これによって得た知恵や方向性はあると思います。そこを少し強めに言わないと、本当にこの大会を開催した意味合いがなくなってしまう」

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