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松山英樹、パターに刻んだ3mmの打球痕 長すぎる練習は海外コース係員を苦笑いさせた

男子ゴルフの松山英樹(LEXUS)が11日(日本時間12日)、マスターズで悲願の海外メジャー初優勝を果たした。数々の日本男子が夢破れたメジャーの大舞台、しかも最高峰のマスターズを制覇。2016、17年、世界のトップクラスに駆け上がった時期にゴルフ取材を経験した記者が当時を振り返る。海外選手よりはるかに長い練習時間もあり、パターにはハイレベルな“努力の跡”が残っていた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

松山英樹【写真:Getty Images】
松山英樹【写真:Getty Images】

マスターズ制覇の松山英樹、他の選手も「レベルが違う」と驚いた技術とは

 男子ゴルフの松山英樹(LEXUS)が11日(日本時間12日)、マスターズで悲願の海外メジャー初優勝を果たした。数々の日本男子が夢破れたメジャーの大舞台、しかも最高峰のマスターズを制覇。2016、17年、世界のトップクラスに駆け上がった時期にゴルフ取材を経験した記者が当時を振り返る。海外選手よりはるかに長い練習時間もあり、パターにはハイレベルな“努力の跡”が残っていた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 わずかに見えた。2016年10月の日本オープン、松山は練習グリーンにいた。目を凝らすと、パターのフェース中央に薄っすらと色の違う部分がある。ボールを打った傷だ。

 球を芯で捉えた時に残るわずか3ミリ程度の打球痕。何万球と練習するプロなら同じような傷がつく選手もいるが、松山の打球痕は極端に小さく、一点に集中していた。当時使っていたパターはツルツルとしたフェース。何十球打っても同じ箇所に当てる正確性があるのだろう。近くに居合わせた選手もこれに気づき「レベルが違う」と驚いていた。

 松山の恩師で東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督は「日本に帰ってきてもパットばかり練習していた」と明かしていた。キレキレのショットは世界トップレベルの一方、グリーン上は得意とは言えない。16年10月から17年2月まで個人戦9戦5勝。パットがハマれば、絶対的な強さを見せていた。

 17年全米オープンでも練習をやめない姿があった。初日82位と出遅れたラウンド後は練習場に直行。宮里優作の応援で現地にいた父・優さんから簡単に助言をもらっていた。気温30度を超える炎天下。日陰はない。強い日差しの中、気づけば2時間15分もショートパットを繰り返していた。修正が効いて海外メジャー日本人最高の2位。気になったらすぐに確認し、結果を出した。

 ツアー中でもラウンド前後に黙々と球を打つ。日が暮れても見える限り続け、練習場にポツンと残ることも多い。海外では、コース係員が「整備ができないよ」と苦笑いしたこともあった。

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