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サラリーマンでプロ選手? アイスホッケー界の課題に挑戦する「横浜GRITS」の船出

横浜に新たに生まれたアイスホッケーチームである横浜グリッツ(正式表記は、アルファベットを用いた「横浜GRITS」)が、初陣の時を待ちわびている。日本、韓国、ロシアで構成するアジアリーグへの加盟が認められ、今季から加わる新チームだ。コロナ禍で2020-2021年のレギュラーリーグが中止となったが、日本の国内5チーム対抗戦「アジアリーグアイスホッケージャパンカップ2020」(10月10日~12月27日、ホーム&アウェイ方式の4回戦総当たりで勝率を競う)の開催が決定。これが、横浜グリッツの初陣となる。

デュアルキャリアを採用する「横浜GRITS」がジャパンカップで初陣へ【写真提供:横浜GRITS】
デュアルキャリアを採用する「横浜GRITS」がジャパンカップで初陣へ【写真提供:横浜GRITS】

デュアルキャリアを採用、「横浜GRITS」が10日開幕のジャパンカップで初陣へ

 横浜に新たに生まれたアイスホッケーチームである横浜グリッツ(正式表記は、アルファベットを用いた「横浜GRITS」)が、初陣の時を待ちわびている。日本、韓国、ロシアで構成するアジアリーグへの加盟が認められ、今季から加わる新チームだ。コロナ禍で2020-2021年のレギュラーリーグが中止となったが、日本の国内5チーム対抗戦「アジアリーグアイスホッケージャパンカップ2020」(10月10日~12月27日、ホーム&アウェイ方式の4回戦総当たりで勝率を競う)の開催が決定。これが、横浜グリッツの初陣となる。

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 横浜グリッツは、臼井亮人を代表取締役として慶應義塾大学アイスホッケー部のOBらが中心となり設立したGRITSスポーツイノベーターズ株式会社が運営するチームで、2019年5月に産声を上げたばかり。プロチームでありながら、選手がビジネスキャリアにも同時に取り組む「デュアルキャリア」を採用。選手は、競技とは別に仕事を持つ。セカンドキャリアの不安が原因で若くして引退したり、有望な学生がプロ入りせずに引退したりする日本アイスホッケー界の問題を解決する一つのスタイルとして、成否が注目される。

 選手にとって、「デュアルキャリア」は、収入の安定を図り、引退後の選択肢を増やせるメリットがある。一方、両立は簡単ではない。中学を卒業して16歳から北米、北欧の強国で競技キャリアを積んで帰国したGK黒岩義博(26歳)は、ITエンジニアとの両立を目指したが、クラブ関係者から「1日に9時間程度働き、エンジニアとしての勉強も2時間は必要。両方するには時間が足りない」と指摘を受け、クラブの仲介を受けて港北区にあるスウェーデン発祥の家具メーカーIKEAの物流部門で働くことになった。

 練習時間の確保は、大きな課題。雇用先が競技に理解を示すかどうかは、両立の大きな鍵だ。職種や条件が限られる部分もある。黒岩は「労働時間の面で理解していただけて、競技の時間を確保しやすいことが決め手でした。それでも練習時間が夜遅い時間帯と朝の早い時間帯が続いて、そのあとに仕事、練習となるときは大変ですが、苦労なくして成功はないので、感謝しながら生活しています」と難しさを感じながらも両立をやり抜く覚悟を示した。

 また、会社がいつも競技を優先させてくれるとは限らない。会社で評価を得なければ、理解を得られない難しさもある。9月末にH.C.栃木日光アイスバックスと行ったプレシーズンマッチ2試合で得点を挙げた松渕雄太(24歳)は、漢方薬品メーカーとして知られる株式会社ツムラに勤めている。臼井代表によれば、当初は、競技活動への参加について雇用先との調整が難航することもあったが、松渕が営業成績で結果を出して会社に両立を認めてもらったという。

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