[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

佐藤琢磨はなぜ勝てたのか 仲間でラーメンをすすった日、チームは1つになった

ラーメンで決起集会「思いを共有するために…」

 それにしても、緻密な戦略と理想的な走りを可能にする速いマシンを作り上げたエンジニア、6度のピットストップを完璧な作業で送り出したピットクルーらチームの結束は見事だった。「奇跡のような状態」を作り出した背景に、佐藤主催の決起集会があった。佐藤はレース前、人数を絞って、自身の30号車のスタッフとその家族との食事会を開催していた。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

「みんなで楽しく日本食、ラーメンなんですけど(笑)」。新型コロナウイルス感染リスクを抱えながら、レースに参戦しているチームスタッフにとって、日々の不安を忘れられるひとときとなったに違いない。「レースで頑張っていこうという思いを共有するための食事会だった。それが決勝に爆発して、みんなのすごい集中力が生まれて今回の勝利につながった」。

 常々、佐藤琢磨というドライバーには求心力があるように感じていた。それは周囲のスタッフと会話をすれば、すぐに分かる。長年米国でのマネジャーとして佐藤を支えるフューセク氏は以前、「彼ほどメカニックと多くの時間を過ごすドライバーを見たことがない。レーサーはバックシートにスポンサーやチームオーナー、スタッフら多くの人の思いを乗せて走る。琢磨はそれをよく理解している。だからこそ周囲への気配りを忘れないのだが、あそこまでできる人はなかなかいない」と感心していた。

 佐藤も「ドライバーができることというのは実は少ない。チームの方針そのものは動かせないけど、結束力がついてくるかというのはどんなドライバーがいるかによって変わってくる」と自らの役割を語っていた。今回のラーメン決起集会も、今季思うような結果が残せていなかったチームの雰囲気を感じ取ってのことだったのだろう。

1 2 3 4
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集