怪我防止へ米医師が提唱 子どものスポーツ、活動再開後までに注意すべき3つの段階
「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回のテーマは「コロナ禍の子どものスポーツ、どう怪我を防ぐか」について。
連載「Sports From USA」―米研究所の専門家会議で提唱された3つの段階とは
「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回のテーマは「コロナ禍の子どものスポーツ、どう怪我を防ぐか」について。
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緊急事態宣言や休校措置を受け、民間のアカデミーや運動部など、子どものスポーツもいつも通りの活動ができなくなっている。
緊急事態宣言が解除され、スポーツ活動が再開できるまでのプロセスで、どのようなことに注意をするべきなのか。いきなり、強度の高いトレーニングをするのは、怪我のリスクを高めることは多くの指導者が理解している。
少しずつ練習の量や強度を上げていくことは分かっていても、もう少し具体的な情報を知りたいと思っている指導者、運営者もいるだろう。
米シンクタンクのアスペン研究所の「プロジェクト・プレイ」は4月24日に、スポーツ医学の専門家、運動部やユーススポーツチームのコーチ、子どもたちをオンラインでつないでウェブ会議を開いた。このウェブ会議でスポーツ医学専門のドクターから聞いた内容をお伝えしたい。ウェブ会議は録画されて、YouTubeでも視聴可能になっているので、興味のある方は見ていただきたい。
ウェブ会議では、米ニューヨークHHS病院のアンドリュー・パール医師が、専門家として「登壇」した。
スポーツ活動による怪我は、プレシーズンとシーズンのはじめに起こりやすい。チームでの練習が再開できる状況になったからといって、いきなり強度と量のあるトレーニングをして、怪我をしてしまえば、回復までに数週間、場合によっては数か月間、スポーツができなくなる。ようやく再開できたのに、また、怪我での休みを余儀なくされてしまうことは避けなければいけない。
パール医師は、外出が制限され、チームでの練習ができない状態から、フルに活動できる状態までを3つの段階に分けている。以下の文章は、カギ括弧内にドクターの要約を記し、それ以外は筆者が補足したものである。