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“内村不在”で示した日本の底力 「個人総合の白井」と「新技・ミヤチ」の可能性

体操の世界選手権(カナダ・モントリオール)は、男子のエース・内村航平(リンガーハット)が個人総合予選で途中棄権し、連覇が「6」で途絶えるという波乱を呼んだが、白井健三(日体大)が初出場の個人総合で銅メダルを獲得。種目別のゆかと跳馬の金メダルを合わせ、3つのメダルを獲得するなど、躍進した。「ひねり王子」と呼ばれる21歳の凄さはどこにあるのか。そして、日本男子の今後は――。前回の女子に続き、元日本代表の岡部紗季子さんに聞いた。

躍進の「ひねり王子」は、なぜひねれる? 元女子日本代表・岡部紗季子さんに聞く

 体操の世界選手権(カナダ・モントリオール)は、男子のエース・内村航平(リンガーハット)が個人総合予選で途中棄権し、連覇が「6」で途絶えるという波乱を呼んだが、白井健三(日体大)が初出場の個人総合で銅メダルを獲得。種目別のゆかと跳馬の金メダルを合わせ、3つのメダルを獲得するなど、躍進した。「ひねり王子」と呼ばれる21歳の凄さはどこにあるのか。そして、日本男子の今後は――。前回の女子に続き、元日本代表の岡部紗季子さんに聞いた。

 波乱の日本で輝いたのは、白井だった。個人総合でエース・内村が右足首負傷で途中棄権したが、決勝で3位に食い込み、銅メダルを獲得。もともとスペシャリストとして鳴らしてきた種目別のゆかと跳馬でも圧巻の演技で金メダルに輝いた。その原動力となったのは「ひねり王子」と異名を取る通り、ひねりの技術である。

 そもそもなぜ、白井はそんなに“ひねる”ことができるのか。

「まずは空中感覚に優れていることが大きい。自分が空中で、どんな体勢で、どの位置にいて、着地が取れるという感覚。幼少期に磨くことが一番大事。白井選手の場合、兄2人が体操選手で父もコーチをやっている。早く始めれば始めるだけ、感覚を吸収することができる。生まれ持った環境も大きいと思います」

 実際に、幼稚園年代の指導の手掛ける岡部さんは実感を込め、このように分析。「加えて白井選手は体幹が強い。抱え込みの動作は体を小さくするけど、ひねりは体が伸ばす分、軸がぶれやすい。筋力がとても大事になりますが、その部分も優れています」と解説する。

 体操の難度は主に「宙返り」と「ひねり」の数を「抱え込み」「屈伸」「伸身」など、どんな姿勢でこなすかによって決まるが、ひねりならではの難しさも存在する。それは、筋力やバネの強さだけでは克服できないという。

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岡部 紗季子

 1988年5月16日、東京都生まれ。朝日生命体操クラブ出身。4歳で体操を始める。02年、ナショナルチームメンバー初選抜。明大では2大会連続ユニバーシアード代表に選出。得意種目はゆか。

 引退後は明大コーチを経て、体操教室で指導を行う。TBS系「KUNOICHI」でも活躍。自身のインスタグラムでは街や海など様々な場所で逆立ちやバック転などアクロバティックな技を披露し、人気を博している。

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