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“最近、箱根で外さない大学”法政の強さ 指導は「自分で考えさせる」、東洋の強化+帝京の育成を融合

法大は「自分で考える」をモットーに練習に励んでいる【写真:中戸川知世】
法大は「自分で考える」をモットーに練習に励んでいる【写真:中戸川知世】

「自分で考える」チーム運営で監督が果たす役割とは

 坪田監督がいう「自分で考える」というのは、練習を含めてすべてを自分で組み立てて、生活していくわけではない。練習のスケジュールは監督が出し、メニューなどについても説明がある。

――練習についての判断も自分で選択するのですか。

「うちは設定タイムを分け、その中でその日の体調やその先の目標に合わせて自分で決めさせています。高校時代からタイムがある子は、どんどんタイムを上げていき、本数も多くやろうとするんですが、そうするとコンディションが落ちたり、怪我をしたりします。そこで1回立ち止まり、なぜそうなったのかという答え合わせを早くできる子は伸びていきますし、箱根にも近づいていきます。逆に時間がかかる子は、4年目で箱根がギリギリの感じになります」

――そういう中、監督が果たす役割は、どういうことなのでしょうか。

「進むべき方向からズレている子を、進むべき方向にちょっとずつ寄せていく手助けをすることです。その選手の目標や箱根に向けての距離を考え、こうしなさいではなく、こうやってみたらという方向づけが私の仕事かなと思っています」

――指示せず、寄せていくのは難易度が高い。選手のことをよく理解できていないと難しいですね。

「私も引退して、指導者として法政に来て、すぐにそういうことができたわけじゃなくて、何十年も競技場に立っていろんな選手を見てきてようやくという感じです。毎年、選手が入れ替わるので、練習や選手の接し方も3年前とはちょっと違うので、そこは日々試行錯誤といいますか、私も何が正しいのか、見極めて、修正していくようにしています」

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佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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