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“最近、箱根で外さない大学”法政の強さ 指導は「自分で考えさせる」、東洋の強化+帝京の育成を融合

第101回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)が1月2、3日に行われる。「THE ANSWER」は令和を迎えた正月の風物詩を戦う各校の指導者に注目。3年連続シード権を獲得し、最近は“外さない大学”として法政大を安定した成績に導いているのが坪田智夫監督だ。自身も法大OBで、大学時代は2区区間賞など活躍。実業団の強豪・コニカミノルタを経て、2013年4月に母校の駅伝監督に就任した。今回で10年連続85度目の出場という伝統校における指導の理念とは。(全4回の第1回、聞き手=佐藤 俊)

前回の箱根駅伝で法大は総合6位、坪田監督は3年連続シード権獲得に導いた【写真:産経新聞社】
前回の箱根駅伝で法大は総合6位、坪田監督は3年連続シード権獲得に導いた【写真:産経新聞社】

「箱根駅伝監督、令和の指導論」 法大・坪田智夫監督/第1回

 第101回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)が1月2、3日に行われる。「THE ANSWER」は令和を迎えた正月の風物詩を戦う各校の指導者に注目。3年連続シード権を獲得し、最近は“外さない大学”として法政大を安定した成績に導いているのが坪田智夫監督だ。自身も法大OBで、大学時代は2区区間賞など活躍。実業団の強豪・コニカミノルタを経て、2013年4月に母校の駅伝監督に就任した。今回で10年連続85度目の出場という伝統校における指導の理念とは。(全4回の第1回、聞き手=佐藤 俊)

 ◇ ◇ ◇

――坪田監督の指導の理念を教えていただけますでしょうか。

「私が学生に伝えているのは、『常に自分で考えて陸上に取り組みなさい』ということです。それは、私の大学時代の経験に因るところが大きいですね。当時、法政大には強烈な指導者がいませんでしたし、チームもそんなに強くはなかったんです。その中で自分が成長するためには、どうしたらいいのかと自分で考え、試行錯誤しながらやっていく中で成長することができました」

――その時の成功体験が指導に繋がっているのですね。

「そうですね。人に言われてというよりも自分で考えてやったことが結果に繋がって、陸上ってすごく楽しいなと思えたのです。それを今の学生たちにも実感してほしいですし、それは社会に出てからも大事なことだと思うのです。社会に出て上から言われたことしかできないのは、社会人としてどうかなと思うんです。陸上と向き合って成長する過程を楽しむことを社会でも実践して、人として成長し、社会に貢献できる人になってほしいなと思います」

――高校生が、大学に来て、いきなり自分でというと立ち止まる子もいるのでは?

「強豪校にいると言われた通りにすることである程度、競技の結果が出ます。その思考で大学に来て、『自分で考えなさい』と言われたら間違いなく混乱し、『何をしたらいいの?』となります。それでもいいんですよ。そこから考えていこうよということです。半年かかっても1年かかってもいいので、自分で考える癖をつけ、私の指導に徐々に溶け込んでいってほしいなと思います」

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佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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