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中学時代の柴崎岳を指導 就任16年で“20冠”、昌平高校を変えた藤島崇之監督の育成論

2007年に就任し、短期間で昌平高を強豪校に成長させた藤島崇之監督(右端)【写真:河野正】
2007年に就任し、短期間で昌平高を強豪校に成長させた藤島崇之監督(右端)【写真:河野正】

指導の大原則は「点を取ること」

 これまで獲得したタイトルは20を数え、高校総体には4度出場してベスト4が3度。高校選手権にも4度出場し、第98、99回大会で8強に進んだ。プリンスリーグ関東1部では、10月8日の第15節を終えて首位に立っている。

 2011年9月に完成した人工芝グラウンドは強豪のラグビー部と共有するため、工夫と細工を施した練習に終始する。猛者揃いの埼玉で一気に盟主の座に駆け上がったが、いったいどんな練習カリキュラムが組まれているのだろうか――。

「特別なメニューはありません」と藤島監督は前置きし、「一言で説明するとゴールに向かい、ゴールを奪うための練習です。大原則は点を取ること。チームの良さを発揮するにはどうすべきかを全員で判断し、戦況を正しく読み取る力と適応力を養っています。上手な選手を凄い選手に育てたいという思いも強い」と述べる。昌平の練習は、無駄なく能率的に得点する手段を身に付ける反復作業と言える。

 アルビレックス新潟に今季加入した西村遥己は、同校からJリーグ入りした最初のGKだ。加藤大地GKコーチは、「ゴールを守る、西村からの配球でチャンスをつくる、チームを勝たせる、といった大枠を一緒に考えたくらいで、キーパーに特化した練習はほとんどしていません」と話す。さらに「ドリブルをはじめ、技術的な要素を細かく切り取ったトレーニングもやっていないですねえ」と指導現場の様子を明かした。

 考える力と判断力を養うことがコーチ陣の共通認識だけに、その着想に“フィールド選手用”や“GK向け”といった違いはないのだろう。

 監督の下、12人のコーチにトレーナー2人とプロチームも顔負けのスタッフを抱えるが、コーチによって選手に求めるものが異なり、それぞれが違った考え方で手引きする。哲学の違いからチームづくりが滞ってしまいそうな気もするが、これが型にはまらぬ柔軟な判断力とプレーを可能にしているそうだ。

 福島ユナイテッドに昨季加入したMF柴圭汰は、「たくさんの指導者からいろんな見方や考え方、戦術を学んだ。多くのものを吸収して引き出しが増えたおかげで、どんな戦況になっても自分たちで考えて対応できるようになりました」と3年間のレッスンに感謝したものだ。

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