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練習後の会話で大切なこと ミスを指摘する以上に子供が得た「成功体験」の共有を

夏休みもそろそろ終わりを迎える8月末、僕は長男が参加したSCフライブルクユースアカデミー主催のサッカーキャンプを見学しに、フライブルク市の郊外に位置するSVオプフィンゲンというクラブを訪れた。グラウンド脇にはきれいに改装されたカフェレストランが併設され、美味しいミルクコーヒーを堪能しながら、子供たちが笑顔でボールを蹴っている様子を楽しんだ。

【連載コラム】ドイツ在住日本人コーチの「サッカーと子育て論」――大切にすべきは子供が練習で得た感動と喜び

 夏休みもそろそろ終わりを迎える8月末、僕は長男が参加したSCフライブルクユースアカデミー主催のサッカーキャンプを見学しに、フライブルク市の郊外に位置するSVオプフィンゲンというクラブを訪れた。グラウンド脇にはきれいに改装されたカフェレストランが併設され、美味しいミルクコーヒーを堪能しながら、子供たちが笑顔でボールを蹴っている様子を楽しんだ。

 年齢ごとに12人1組の5グループに分かれ、それぞれにコーチが一人ずつつく。見学した日はコーディネーションや判断力が要求されるトレーニングを、パスやシュート練習と組み合わされたものが多かった。ただ練習をするだけではなく、練習時のグループとは別に「バイエルン」「ドルトムント」「バルセロナ」「マンチェスター・ユナイテッド」などのチーム名を冠したグループ分けをしてチャンピオンズリーグを行ったり、テラスに座ってサッカークイズをしたり、ドリブルやシュートといったテクニックを競い合うサッカーテクニックのテストと、盛りだくさんの内容だった模様だ。

 その日の帰り道、「どうだった?」と聞いてみた。

「最高だったよ。あ、あのね、最後にミニゲームやったんだけど、僕1人で5点も取ったんだ。そんなに取ったことなかったのに!」と大喜びの長男。自分ができなかったプレーを口にしたりはしない。

 はたから長男のプレーを見ていて「あ、ミスパスしたな」とか、「ああ、そこで止まっちゃダメだよ」というシーンがなかったわけではない。

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中野 吉之伴

1977年生まれ。ドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。ドイツでの指導歴は20年以上。SCフライブルクU-15チームで研鑽を積み、現在は元ブンデスリーガクラブであるフライブルガーFCのU12監督と地元町クラブのSVホッホドルフU19監督を兼任する。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に『サッカー年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)、『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)がある。WEBマガジン「フッスバルラボ」主筆・運営。

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