日本人がスペインで苦戦する理由 現地指導者が指摘、小学生年代の「戦術指導の欠如」
欧州サッカーにおいて、これまで日本の選手たちはドイツ・ブンデスリーガではいくつもの成功例を生み、イングランドのプレミアリーグでは岡崎慎司(レスター)が、イタリアのセリエAでも中田英寿(当時ローマ)がリーグ優勝を経験した。
【スペイン人×日本人サッカー指導者対談|第4回】欧州各国リーグの中でいまだに高い“スペインの壁”
欧州サッカーにおいて、これまで日本の選手たちはドイツ・ブンデスリーガではいくつもの成功例を生み、イングランドのプレミアリーグでは岡崎慎司(レスター)が、イタリアのセリエAでも中田英寿(当時ローマ)がリーグ優勝を経験した。だがスペインのリーガ・エスパニョーラでは、まだタイトル獲得という明確な成功がなく、日本の選手たちにとって最も高い壁になっている。
リノ・ロベルトと吉住貴士――。スペインと日本両国の育成現場を知る2人の対談のテーマは、なぜ日本の選手たちがスペインで活躍できないのか、に及んだ。
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リノ「ドイツは優勝を争うバイエルンやドルトムントと下位のチームに差がある。もちろん、スペインもバルサやレアル・マドリードが突出しているが、それでも簡単に勝てる試合は一つもない。またスペインの子供たちは、5~6歳の頃から体幹作りのための体操を続けている。それはスペインに限らず、欧州全般に言えることです」
吉住「確かにスペイン人は身体の使い方が上手い。ボール扱いが下手でも、身体をぶつけられて奪えないんです」
リノ「7~8歳の久保建英(現・FC東京)を見た時は、本当に凄かった。ただしボールを持てば、攻撃面では素晴らしいけれど、細くて小さいので守備では苦戦をした。バルセロナへ行ってからは、相手に研究され、右足側に持たされるなど困難な状況になった。だんだん大人に近づき、強くはなったけれど8歳の頃のようなプレーはできなくなっている印象だ」