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今、日本スポーツ界が抱える課題「アスリートの価値に比例する『周辺の仕事』の価値」

指導者に求められるのは「子供の『楽しい』」を見抜く目と広瀬氏は考える【写真:小野瀬健二】
指導者に求められるのは「子供の『楽しい』」を見抜く目と広瀬氏は考える【写真:小野瀬健二】

指導者に求められるのは、一人ひとり異なる「子どもの『楽しい』」を見抜く目

――子どもはスポーツが楽しいと感じることが出発点だと考えている人は多いと感じています。その中で育成年代の低学年から勝敗を評価のひとつに掲げているチームについてはどう思われますか?

「求めることをひとつに絞ったほうがいいとはまったく思ってません。それを大前提に、楽しむことが最初に来るべきだというのは同意です。ですが、『何をもって』楽しいと感じるのかは、個人によって大きく変わってきます。

 チームに属して共同で取り組むことが楽しいという人もいれば、勝つことで初めて楽しさを見出す人、自分の上達を実感して楽しくなる人などさまざまです。その差を指導者が見極めて、自分の価値観を押し付けないことが大切です。

 もちろん、自分ができなかったことができるようになるという点に楽しさを見い出せれば一番ですけどね。勝つことが楽しい、という点で言えば自分が相手を上回って勝つのが楽しいというのは良いんですが、相手を下げてでも勝つ、極端に言えば怪我させてでも勝つのが楽しいという方向に行ってしまうのは良くないので指摘してあげるべきだと思います。

 その子が何を楽しいと思うかを見抜き、方向性を正してあげるような指導ができることが重要だと思います。その上で楽しみ方を認めてあげることですね」

■広瀬統一(早稲田大学スポーツ科学学術院教授/なでしこジャパンフィジカルコーチ)

 1974年生まれ、兵庫県出身。大学卒業後、東京ヴェルディでインターンとして2年間従事した後、3年目から本契約。2006年に東京ヴェルディを退団後、早稲田大学教員として従事しながら、名古屋グランパスに入団。2008年からは名古屋グランパス、JFAアカデミー、なでしこジャパン(サッカー女子日本代表)、大学教員を並行して携わる。2009年に名古屋グランパスを退団し、京都サンガへ。スポーツ外傷・障害予防とコンディショニングをテーマに、若年層から成人まで幅広い年齢層を対象に研究を行う。2009年、早稲田大学スポーツ科学学術院専任講師に就任し、2015年より現職。

(記事提供 TORCH)
https://torch-sports.jp/

(今井 慧 / Kei Imai)

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