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今の子どもの指導に悩む大人へ ストリートスポーツ界のカリスマは「一切教えません」

日本が世界に誇るストリートスポーツの世界大会「ARK LEAGUE」。2013年に神戸でBMXフラットランドの世界大会「FLAT ARK」としてスタートし、2017年にはスケートボードの世界大会「SKATE ARK」が加わって「ARK LEAGUE」となった。さらに2019年には、パリ五輪から追加競技となるブレイキンの世界大会「BREAK ARK」が仲間入り。同年から舞台も神奈川県寒川町に移し、3日間で国内外から約2万5000人が来場する大盛況となった。

BMXのプロライダー内野洋平(右)とプロスケートボーダー瀬尻陵(左)【写真:松橋晶子】
BMXのプロライダー内野洋平(右)とプロスケートボーダー瀬尻陵(左)【写真:松橋晶子】

「一緒に謎を解いていく感じ」、BMX内野洋平とスケボー瀬尻稜が語る子どもへの教え方

 日本が世界に誇るストリートスポーツの世界大会「ARK LEAGUE」。2013年に神戸でBMXフラットランドの世界大会「FLAT ARK」としてスタートし、2017年にはスケートボードの世界大会「SKATE ARK」が加わって「ARK LEAGUE」となった。さらに2019年には、パリ五輪から追加競技となるブレイキンの世界大会「BREAK ARK」が仲間入り。同年から舞台も神奈川県寒川町に移し、3日間で国内外から約2万5000人が来場する大盛況となった。

 ARK LEAGUEの創始者で、BMXフラットランド界のカリスマ・内野洋平は現在、大会の拠点となった寒川町に移住。自らのスキルアップに努める一方で、地域の子どもたちにBMXの魅力を伝える活動をしている。子どもたちに教える時、内野が実践するのは「押しつけないこと」だ。

「好奇心が大事ですよね。勉強もそうですけど、誰かにやらされているのか、自分でやっているのか、で変わるって言うじゃないですか。BMXも全く一緒です。僕も息子がいて一緒に自転車に乗るんですけど、一切教えません。でも、子どもの中でやりたい技があれば聞いてくるんですよ。『どうすればいいの?』って。そうやって聞いてきた時には教えます。まずは自由にやらせて、壁にぶち当たるまで待つスタンスですね」

 内野と全く違うアプローチを取っていたのは「SKATE ARK」のオーガナイザー、瀬尻稜の父だ。瀬尻がスケートボードを始めたのは幼稚園の頃。サーファーだった父から教えてもらった。

「練習に行く時は、大体父ちゃんが一緒に来て、見てくれました。父ちゃんはスケボーの知識はそんなになかったんですけど、自分でビデオを見て勉強して『ここはこうだよ』って教えてくれて、いろんな場所にも連れて行ってくれました。仕事のない週末とか、平日でも仕事が終わってから、空いている時間はいつもスケボーに費やしてくれていたんですよね。母ちゃんもそれをサポートしてくれて、とにかく自分がスケボーすることに関しては、ずっと応援してくれましたね」

 熱心な父の指導もあり、瀬尻は11歳にして日本スケートボード協会のプロクラスグランドチャンピオンを史上最年少で獲得。国内で次々に優勝を飾り、海外の大会にも出場し始め、“天才スケーター”と大きな注目を集めた。内野が初めて瀬尻と会ったのは、瀬尻が10歳の頃。「稜は珍しいタイプ」と話す。

「親が子どもに教える場合は、親子の関係が良くないと伸びないですよね。稜は結構、英才教育だったと思うんですけど、仲がいいし、リスペクトもしている。今はもう自由にしているけど、当時はやっぱり嫌になったこともあると思うんですよ。親はその技をできないのに、それでも上から『やれ』って言われるわけじゃないですか。子どもだったら『自分でやってみろよ』って言いたくなる時もあると思うんです。そういうケースは僕が教えていてもあるんですよ」

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