「“なんとなく”ついていった」 福岡大大濠、逆転Vの裏に“計算通り”の劣勢
相手の「経験」と前日の「死闘」に導かれた展開…「それが、対明成にはマッチしていた」
相手の明成は2年ぶりの決勝進出。とはいえ、3年生の全国のファイナルの経験には乏しかったことだ。
「相手にとって何がイヤはなんだろうと考えると、“なんとなく”ついてこられる展開が一番なのかなと思った。決して、明成さんも最近は(全国の)上の方で戦ってこられたわけじゃない。やられているようでついていく展開の方がいいと思っていた」と指揮官は言う。
もう一つは、前日の準決勝の帝京長岡(新潟)戦で4度の延長戦の死闘の末に勝利したことだ。
「ああいう試合での昨日の今日。私が前半から飛ばしていこうと言っても、エンジンがかからないことはわかっていた。それが、対明成においてはマッチしていたんじゃないかと思う」。追うより追われる方が不利に働く――。その狙いが、じりじりとにじり寄って、最後にズバリと当たった。
もちろん、逆転に導けるのは力があったからこそ。U-19日本代表のPG中田嵩基(2年)が大会直前までU-19ワールドカップ(カイロ)の日本代表に選出され、2か月近くベストメンバーを組めなかった。しかし、帰国後は「3倍くらい練習した。自分は1回、倒れたくらいです」(中田)とハードに追い込み、大会に向けて仕上げてきた。