「普段から知る友達ではないけれど…」 陸上全国大会、中学生が自然と繋げたスポーツマンシップの輪
全日本中学陸上選手権が17日から4日間、福井運動公園陸上競技場で行われた。中学生による日本一を懸けた大舞台。結果を追い求める中にも、競技を終えた選手が健闘を称え合うスポーツマンシップが広がり、観客からは大きな拍手が沸き起こった。
全日本中学陸上選手権
全日本中学陸上選手権が17日から4日間、福井運動公園陸上競技場で行われた。中学生による日本一を懸けた大舞台。結果を追い求める中にも、競技を終えた選手が健闘を称え合うスポーツマンシップが広がり、観客からは大きな拍手が沸き起こった。
女子四種競技の最終種目は200メートル。3種目を終えた時点での上位8人が、最終4組で駆け抜けた。するとその直後、出場した25人の選手がゴール地点に集合。手を繋ぎ、客席に向かって一礼した。
「ありがとうございました!」と元気よく合図を出したのは、総合得点で2位となった松井優佳(八王子一・3年)。3種目を終えて1位だったことで、まとめ役を任された。
最終種目で加藤未来(若松原・3年)に逆転を許した直後。「最後に順位を落としてしまったのは悔しかったけど、混成はみんなで高め合ってやっているから……」。こぼれ落ちそうな涙をこらえ、笑顔で振り返った。
ここから始まったスポーツマンシップは、自然に広がっていく。
男子四種競技、男子400メートルトライアルレース、決勝と選手が肩を組んで挨拶。男子400メートル決勝で優勝した知識航作(山陽・3年)は「四種の選手たちがやっていて『僕たちも何もせずにはいられないな』と思って。一緒に走った選手たちは普段から知る友達というわけではないけど、絆を感じられた」と笑顔を見せた。
今夏開催されたパリ五輪でも、十種競技のあとに選手たちがトラック上に寝そべり、恒例の記念撮影を行っている。日本人選手も、数多くのスポーツマンシップ溢れる場面を生んだ。閉幕から約1週間。福井で日本の中学生たちが作った光景に、同じように心動かされた。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)