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甲子園150キロ右腕の今 東北福祉大・滝口琉偉、大学1年目の壁と「絶対ドラ1」の覚悟

昨年12月、東北福祉大の1年生右腕・堀越啓太投手が非公式ながら162キロを計測して話題を集めるなど、東北福祉大の1年生投手陣は逸材揃い。最速151キロのストレートを持つ滝口琉偉投手も、そのなかの1人だ。リーグ戦未登坂ながら、高いポテンシャルを誇る右腕に話を聞いた。(取材・文=川浪 康太郎)

東北福祉大の室内練習場で汗を流す1年生右腕の滝口琉偉【写真:川浪康太郎】
東北福祉大の室内練習場で汗を流す1年生右腕の滝口琉偉【写真:川浪康太郎】

2021年夏の甲子園、日大山形のリリーフエースとして16強入りに貢献

 昨年12月、東北福祉大の1年生右腕・堀越啓太投手が非公式ながら162キロを計測して話題を集めるなど、東北福祉大の1年生投手陣は逸材揃い。最速151キロのストレートを持つ滝口琉偉投手も、そのなかの1人だ。リーグ戦未登坂ながら、高いポテンシャルを誇る右腕に話を聞いた。(取材・文=川浪 康太郎)

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 滝口の名が全国区となったのは、一昨年の夏。高校最後の夏に甲子園出場を果たし、リリーフエースとして日大山形を16強入りに導く力投を披露した。

 その夏の県大会までは最速146キロだったが、甲子園初戦の米子東戦で147キロ、続く浦和学院戦で148キロを計測。3回戦の石見智翠館戦は制球に苦しみ、チームも敗れた中、150キロの大台を突破してみせた。

 本格的に投手を始めたのは高1の冬。高2春には140キロ台を出せるようになったが、秋に肘を怪我した影響で一時は130キロ台に落ち、手術も経験した。それでもリハビリののち、瞬発系のトレーニングやランニングに重点的に取り組むなかで、球速が戻るどころか大きく伸びた。

 ただ、甲子園で150キロを出せたのは、「気持ち」の面が大きかったという。

「人に見られているほうが良い投球ができるんです。注目されたがりなので」

 滝口は無邪気な笑顔を浮かべながら、そう口にした。

 甲子園で結果を残し、プロ志望届を提出したものの、ドラフトでは無念の指名漏れ。悔しさは引きずらず、ドラフト直後に日大山形・荒木準也監督に連れられて訪れた東北福祉大のグラウンドで、「4年後、絶対にドラ1でプロに行く」と心に誓った。

 しかし、ルーキーイヤーの昨年は壁にぶち当たった。入学当初は球速のアベレージが140キロ台前半にとどまり、右肘に痛みを感じていた5月頃から9月まではブルペンで投げることさえできなかった。

 一方で、「怪我の功名」もあった。怪我で投げられない時期にコーチやトレーナーと密にコミュニケーションを取ったことが、その後のレベルアップにつながったのだ。

 助言を受け、体幹を鍛えたり、柔軟性を高めたりするためのトレーニングを取り入れたことが功を奏し、復帰後に球速が上昇。諏佐航平コーチから徹底するよう求められた「丁寧な投球」を心がけると、制球力も向上した。また胸や肩甲骨の動き方を意識することで、怪我を予防しながら投げるコツも身につけた。

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