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「子供たちのアイデア尊重」 14年ぶり8強の高川学園、保護者も驚く監督の柔軟性

第100回全国高校サッカー選手権は2日、等々力陸上競技場で3回戦が行われ、第2試合では高川学園(山口)が仙台育英(宮城)に1-0で勝利した。途中出場の3年生MF西澤和哉が後半アディショナルタイム3分に決勝弾。ここまでセットプレー時の奇策が注目を浴びる山口の名門だが、江本孝監督の選手を信じる指揮が14大会ぶりのベスト8進出に繋がっている。

中山桂吾(中央)が中心となって発案された“グルグル円陣FK”。保護者も知らなかった”秘策”だ【写真:和田秀太郎】
中山桂吾(中央)が中心となって発案された“グルグル円陣FK”。保護者も知らなかった”秘策”だ【写真:和田秀太郎】

江本孝監督の采配的中、終了間際の決勝弾で高川学園がベスト8入りを果たす

 第100回全国高校サッカー選手権は2日、等々力陸上競技場で3回戦が行われ、第2試合では高川学園(山口)が仙台育英(宮城)に1-0で勝利した。途中出場の3年生MF西澤和哉が後半アディショナルタイム3分に決勝弾。ここまでセットプレー時の奇策が注目を浴びる山口の名門だが、江本孝監督の選手を信じる指揮が14大会ぶりのベスト8進出に繋がっている。

 両チーム無得点のまま迎えた後半40分、指揮官が決断した。「このところ結果が出ていなかったが、過去に(西澤が)得点したシーンが私の心の中によぎった」と振り返った江本監督が西澤を投入。試合終了間際、立て続けにコーナーキックのチャンスを得ると、こぼれ球を西澤がボレーで叩き込み殊勲の決勝ゴールを奪う。ピッチからはこの日一番の歓声が巻き起こった。「決定力を持っている」と江本監督が信じて切ったカードに背番号14が見事に応えた。

 試合終了直後、敗れた仙台育英の選手だけでなく、高川学園イレブンも次々と天を見上げ、立ち上がれなかった。どちらが勝ってもおかしくない“死闘”。「疲労が溜まっているかなと思っていたが、選手たちは最後まで戦ってくれた」と、指揮官は土壇場で勝利を手繰り寄せた選手たちの奮闘を称えた。

 今大会、高川学園はセットプレーの際、選手たちが手を繋ぎ、円になって走りながらボールを待つ“グルグル円陣”が世界的な反響を呼んでいる。選手発案の奇策は保護者の中でも話題となっているようで、選手宣誓を務めたDF奥野奨太主将(3年)の母・依子さんの元には知人から多くのメールが届いたという。GK徳若碧都(3年)の母・絵美さんは披露されるまで「知らなかった」と明かした。また「監督は子供たちが自分たちで考えたものを柔軟に取り入れてくれるんだなって思った」と江本監督の選手の考えを尊重する姿勢に感心していた。

 奇策が注目される高川学園だが、江本監督は「選手たちのアイデアは尊重しながらこの大会に臨んでいきたい」と落ち着いた表情で準々決勝以降の戦いを見据えた。次戦は4日、2試合連続でPK戦勝利と勝負強さを見せて勝ち上がってきた桐光学園(神奈川)と対戦。選手を信じ、受け入れる37歳の指揮官は、次はどんな采配でチームをベスト4に導くのだろうか。

(THE ANSWER編集部・和田 秀太郎 / Shutaro Wada)

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