アルゼンチン混乱、今後の伏線になった日本バレーの配球 「相手も戦略練り直しに」殊勲は関田誠大【加藤陽一の目】
東京五輪に比べて試合日程が空くことは「日本にとって有利に」
今日の試合を見て、これから対戦するチームもミドルブロッカーへのマークが必要だと思うはず。相手チームは日本に対する戦略や戦術をもう一度練り直さなければならなくなる。相手にとって、日本は厄介なチームになるわけです。
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アルゼンチンはブロックが得意なチームですが、日本は8点に抑えました。初戦のドイツ戦では18点決められていましたから、いかにブロックを許さなかったかが分かります。アルゼンチンのセッター、デセッコ選手は世界的な名手で攻撃的なトス回しで知られています。ただ、この試合では関田選手の方が上。「セッター対決」でも勝っていました。
ブロックポイントが5点にとどまったことや、まだ大会に入り切れていない選手がいることなど課題はありますが、勝ち点3を獲得して4にしたことは大きい。これで、波に乗れるのではと期待します。
6チームずつ2組に分かれて5試合を戦った東京大会に比べて、今大会の1次リーグは3試合。次の試合までの時間があきます。相手を分析し、データをもとに戦略を立てるのがうまい日本にとっては、時間があることは有利に働くと思います。まずは、米国戦。準々決勝から先は、どこが勝ってもおかしくない試合が続きます。
世界から選ばれた12チームが、世界最高の戦略を駆使し、世界最高の技を競うのが五輪です。そこに日本代表がいることは、素晴らしいことだと思いますし、日本人にとっても誇らしい。テレビを通して五輪で戦う日本を応援できるのも、うれしいことです。
米国戦は未明の時間になりますが、多くの人に見てほしいし、応援してほしいですね。ポイントのたびに選手の顔がアップになり、その喜怒哀楽が見られるのがバレーボール。これほど、感情移入しやすい競技はないのでは。「推し」に声援を送るとともに、バレーボールの楽しさにも触れてほしい。パリでの素晴らしい試合を見ていて、心から思います。
(THE ANSWER編集部)