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運動は「将来の健康への先行投資」 糖尿病対策に「ウォーキング」が向くワケ

忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。

糖尿病対策に「ウォーキング」が向く理由とは
糖尿病対策に「ウォーキング」が向く理由とは

連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」

 忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。

 年を重ね、忙しく働くサラリーマンにとって、気になるのが「糖尿病」。最近は痩せている人、若い人も「隠れ糖尿病」がいるとされ、問題は多い。どうすれば、しっかりと糖を消費し、健康体でいられるのか。中野氏がトレーナーの観点から助言する。

 ◇ ◇ ◇

 厚生労働省が発表した2016年度の「国民健康・栄養調査」によると、現在、日本で糖尿病が疑われる人、および糖尿病予備軍の人は、いずれも約1000万人にのぼります。日常生活での運動量が極端に減っている現代、糖尿病は誰もがかかる可能性の高い病気の一つです。

 糖尿病患者と聞くと、肥満体の人をイメージされる方は多いと思いますが、実は、日本人に多いのは、痩せている人や若い人も発症するという「隠れ糖尿病」。空腹時は正常でも食後の血糖値がグンと高くなるのが特徴で、毎年、健康診断を欠かさないにも関わらず、気づかぬうちに糖尿病になっていた、というケースが多いそうです。

 現代社会に生きるすべての大人たちにとって、糖尿病は他人事ではありません。特に、美味しい物は大好き、運動は嫌い、という方は要注意。糖尿病「予備軍」のうちから、糖を消費する生活にシフトしましょう。

 糖を消費する生活に肝心なのは、ズバリ、運動習慣。これは、「予備軍」だけでなく病気が進行している方にもいえます。

 多くの人は糖尿病になると「一生、美味しい物を食べられない」「超厳しい食事制限しなければならない」などなど、お先真っ暗なイメージを抱いていると思います。でも、実はそんなことはありません。発症後も食事療法などで血糖値のコントロールが順調であれば、お酒も甘い物もたまには摂ってもOK。その際、運動が大いに役に立ちます。

 糖は運動時に筋肉を動かすエネルギー源。つまり、血糖値を下げたいならば、筋肉をこまめに動かして消費してしまえばよい。そして、なるべく効率良く、大量に糖を消費するには、大きな筋肉が集まる下半身を動かし続けるのがポイントです。

 一番おすすめしたいのは「ウォーキング」。ウォーキングならば、特別なテクニックが必要なく、体重が重くても、運動経験がなくてもスタートできます。ただし、糖は筋肉をダイナミックに使うほど大量に消費できるので、狭い歩幅でちょこちょこ歩いたり、ダラダラと歩いたりするのはNG。軽く息が上がる程度のスピードで、一歩一歩、しっかり踏み込みながら、大股で歩くのがポイントです。

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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