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“コロナ自粛明け”で痛感する体力低下 今日から毎日続けるべき「疲れる選択」

忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。

久々の通勤で疲れを感じた人が取るべき行動とは…
久々の通勤で疲れを感じた人が取るべき行動とは…

連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」

 忙しい大人向けの健康術を指南する「THE ANSWER」の連載「30代からでも変われる! 中野式カラダ改造計画」。多くのアスリートを手掛けるフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏がビジネスパーソン向けの健康増進や体作りのアドバイスを送る。

 新型コロナウイルス感染拡大により続いていた外出自粛も明け、徐々に日常の生活に戻りつつある今。久しぶりに体を動かすと通勤の移動でさえ疲れを感じる人も少なくないという。体力回復のため、今日から毎日続けるべき“選択”を中野氏が提案する。

 ◇ ◇ ◇

 全国的にコロナ禍における緊急事態宣言が解除されたことで、徐々に以前の生活が戻ってきていると思います。今回は自粛生活明けに考えられる体の問題についてお話ししましょう。

 自宅勤務から久々に出社する生活に戻った方のなかには、体力の衰えを明らかに感じている人は少なくないと思います。使いなれていたはずの駅や会社の階段を使っただけで息切れがしたり、ちょっと小走りしただけで心臓がバクバクしたり。たった2~3か月、「出勤する」という習慣がストップしていただけで、以前は何ともなかった通勤時や勤務時の移動さえ「疲れる」「しんどい」と感じてしまう。特にランニングや筋トレなどの運動をせずに自宅勤務を続けていた方は、急速に体力が落ちていることを、今さらながら痛感していることでしょう。

 人間は体力が衰えてくると、行動が変わってきます。しかも困ったことに、できるだけ体力を消耗しないよう、ちょこちょこと「楽なこと探し」をするようになるのです。

 例えば私は最近、会社から2キロの場所に住んでいる友人と話す機会がありました。歩いても20分ちょっとの距離なので、コロナ禍以前の彼は毎日、行きも帰りも徒歩で通勤していました。ところが自粛明けのある日、ふと家の前のバス停からバスに乗ってしまいます。今までは「バスに乗る」という選択が頭になかったので気づかなかったそうですが、利用してみると、あっという間に会社に着くし、本数も多いしで非常に便利。「定期代は出ないけれど、乗っても1回200円程度でしょ? 出勤時だけだし、自腹を切っても利用したほうが全然いいよね!」と、すっかりバスユーザーになっていました。

 また、仕事で知り合ったママさん編集者は、家でトンカツを作らなくなったといいます。トンカツって作るとなると手間がかかります。下ごしらえで手は汚れるし、洗い物も多く、レンジ台や床の掃除、油の処理も必要です。それでも、以前は当たり前に作っていたそうですが、通勤生活が戻ってからというもの、毎日、帰宅時にはヘトヘト。「疲れるし、面倒だし、1枚200円程度ならば、出来合いのものを買ったほうがいいですよね!」と話していました。

 そうなんです。こんな風に、一事が万事、楽な方法を選択してしまうのが人間です。

 立っているのはしんどいから座ってしまおう、歩いたり乗り換えたりは面倒だからバスやタクシーに乗ってしまおう、階段は疲れるからエスカレーターを使おう、料理するのはしんどいから、出前を頼もう……。こうやって、場面場面で楽な行動を選択するようになり、日々の活動量は少しずつ、少しずつ削られていきます。そして、脚を使わない時間が増えていくほど、筋肉はどんどん衰えていく。

 果たして1年後、あなたのカラダはどうなっていると思いますか? 間違いなく今よりも疲れやすくなっていますし、お腹にもたっぷり体脂肪がついていることでしょう。

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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