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「今、僕はここにいるよ」 引きこもりを経て“フツーの青年”が世界記録を出すまで

日本陸上界に一人の世界記録保持者がいる。佐藤友祈、29歳。400、800、1500、5000メートルという4つの距離において、ワールドレコードとして名前が刻まれている。その種目はパラ陸上、T52(車いす)である。来年に迫った東京パラリンピックの金メダル候補。「試合当日は1番でゴールして、世界記録を樹立して、表彰台の上で気持ちを爆発させたい」と熱い夏に視線を向けた。

T52(車いす)で4つのワールドレコードを持つ佐藤友祈【写真:荒川祐史】
T52(車いす)で4つのワールドレコードを持つ佐藤友祈【写真:荒川祐史】

東京パラ車いす陸上金メダル候補、29歳・佐藤友祈が歩んできた競技人生

 日本陸上界に一人の世界記録保持者がいる。佐藤友祈、29歳。400、800、1500、5000メートルという4つの距離において、ワールドレコードとして名前が刻まれている。その種目はパラ陸上、T52(車いす)である。来年に迫った東京パラリンピックの金メダル候補。「試合当日は1番でゴールして、世界記録を樹立して、表彰台の上で気持ちを爆発させたい」と熱い夏に視線を向けた。

 その裏には、驚きの競技人生があった。

 自らを「フツーの青年だった」と言う。「フツーに毎日を過ごし、フツーに中学、高校に通って、スポーツもやって……。何不自由のない生活だった」と言う。転機は20歳の時。腰から下に力が入らない感覚を覚えた。当時はアルバイト生活。「掛け持ちでやっていたので『ああ、疲れかな』と」。30分もしないうちに回復した。気にも留めなかったが、徐々に頻度が増えていった。

 そしてある日、高熱で倒れ、そのまま気を失った。意識を取り戻すとベッドの上。下半身は動かず、左腕も麻痺が残った。まさか、自分が――。現実を受け入れるには時間がかかった。しかし、原因が分からなかった。どこの病院を巡っても、病名が判明しない。そうして2年も経とうとする頃、ようやく「脊髄炎」によるものと診断され、障がい者手帳が発行された。

「昔から、なんでも『なんとかなるだろう』と考えるタイプではあったので、車いす生活になることについて、そんなに考え込んではなかったんです。両親は将来の生活をどうしていくのかと心配をかけているけど、当の本人はケロッとしていて……。『命があれば、どうにかなる』と思っているので」

 その期間は、介助者が必要になる病院の車いすを中古で購入して使ったが、機能性の問題もあって動きにくく、生活が制限された。「本当は外に出て、友達と遊んだり、映画を見たりしたい。でも、車いすを一人で動かすのがしんどくて……」。外に出る意欲もなくなり、自然と引きこもるように。パソコンでYoutubeを見たりゲームしたりしながら、1年近くが過ぎた。

 障がい者手帳が発行され、生活用の車いすを購入して新たな節目に意欲を持ち始めた頃、運命の“出会い”があった。テレビだったか、パソコンだったか、記憶は定かではない。ただ、映像で見た光景は、はっきりと覚えている。12年ロンドンパラリンピック。偶然、車いす陸上の競技を目の当たりにした。衝撃だった。

「上半身ムキムキで障がい者という感じがない。健常者と同じ陸上競技場を使って三輪のカッコいいレーサー(競技用車いす)に乗って、それぞれ国を代表してパラリンピックの舞台に立って、いろんな人の思いを乗せてスタートラインに着く。100メートルなら一瞬で終わるし、400メートルなら1周をかけて決着をつける。そういうところに興味を持ったんです」

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