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【#キミとONETEAM】 「高校3年生は動いたもん勝ち。固定観念ぶっ飛ばして」―慶大ラグビー部監督・栗原徹

新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。

慶大の栗原徹監督【写真:本人提供】
慶大の栗原徹監督【写真:本人提供】

子どもたちともう一度「ONE TEAM」に―「ラグビー選手から午前9時のメッセージ」最終回

 新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。

【注目】現役、OB、指導者ら豪華メンバーが連日登場 ラグビー連載「#キミとONETEAM」全一覧はこちらから

 もっとプレーを見せたかった選手、プレーを見たかった子どもたち。距離が遠くなってしまったいま、「THE ANSWER」はラグビー界がもう一度、子どもたちと一つになれることを願って、「#キミとONE TEAM」と題した連載をお届けしている。

 元日本代表主将の菊谷崇さんと廣瀬俊朗さんが発起人となり、多くの現役、OB、指導者らが賛同。いま抱えている思いとともに、全国の子どもたちに向けたメッセージを送る。また、記事は連日午前9時に配信。「#きょうのトライ」として、学校が休校となっている子どもたちにきょう1日を使い、やってほしいことを提案する。

 最終回となる第30回は、慶大の栗原徹監督だ。創部121年の歴史を誇り、日本で最初のラグビーチームといわれる伝統校。慶大が最後に日本一に輝いた1999年度のBKで、昨年度に母校の指導者として復帰した栗原監督は、限られた時間を過ごす大学生、来年大学生となる高校3年生などにメッセージを送った。

 ◇ ◇ ◇

 3月末から活動を自粛しているので、4、5月は学生、スタッフ陣もみんな家で大人しくしている状況です。3月31日は練習予定でしたが、全員を集めて青空の下、グラウンドでミーティングをしました。この時に伝えたのは簡単に言うと2点です。一つは感染しない、させないという当たり前のこと。部員のみんなに何を思うかというと、彼らの健康と安全です。これまでも手洗い、うがいをしっかりとやっていましたが、練習がなくなったからといって怠らずにやってほしいということです。

 もう一つは、しっかり目の前の自分と向き合えるチャンスだということです。ただぼーっと過ごしていたら、活動再開した時に「こうしておけばよかった」と後悔することが目に見えている。いつ再開できるかわからないですが、後悔をしないようになんでもいいので自分の中でチャレンジしてほしい。読書でもいいし、ラグビーの勉強もそう。今までラグビーで忙しくて時間をとれなかったと思うので、意欲的にチャレンジしてほしいという話をしました。

 活動できない期間は、Zoomを使ったミーティングを多く行っています。週1回の全体ミーティングは、計145人の部員のほか、社会人スタッフが参加します。まだ顔も合わせたこともない新入生もたくさんいる中で、しっかりチームとして形になるように顔を見てやっていますね。他にも各リーダーだけで集まったり、BKやFWのポジションごとに別れたり、1年生だけのミーティングもあります。全部で1週間に10回以上ありますが、私もできる限りすべてに参加しています。

 全体ミーティングでは、学生スタッフがどういう仕事をしているか、自ら伝えています。実は選手たちが知らないことも多い。主務、栄養担当、トレーナー、分析担当、S&Cコーチ(ストレングス&コンディショニングコーチ)もいて、そういう学生スタッフが自分の仕事はどういうものか、プレゼンテーションしてもらっています。どうやって部に関わっていて、どう支えてもらっているのか、互いに知るいい機会だなと思ってやっています。

 ただ、自粛期間がこれだけ長く続くとカテゴリーがなくなってきました。なので、ゲストスピーカーとしてOBや外部の方をお招きしています。この「キミとONE TEAM」の立ち上げに関わっている廣瀬俊朗さんにも登場していただきました。スタッフ間でいろんなアイディアを出し合い、17日には早大前キャプテンの齋藤直人さん(現サントリー)にも慶應のミーティングに出ていただいたんです。

 今の部員にとって1歳年上で一番近く、一番大きな存在。実際に戦った子もいますし、桐蔭学園でチームメイトだった子もいます。今年1月の大学選手権で11季ぶりの日本一を経験された早稲田が何を思っているのか、どうやってラグビーに取り組んでいるのか、彼らから映った慶應はどうなのか。そういうことを赤裸々に語ってくれたんです。慶應の部員にとって非常にいい刺激になるようなミーティングを行うことができました。

 コロナがなく普通に活動していたら、早慶の垣根もありますし、練習場に来てもらうのも申し訳ないです。でも、今なら自宅から参加できる。通常の全体ミーティングでは、社会人スタッフは本当に限られた人しか入らないのですが、今回はこういう機会でOB会の理事長などもオブザーバーとして来てくださった。心配してくださっているOBにも、無事にみんな頑張っているというのを知ってもらういい機会になっています。

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