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阿部一二三、五輪切符死守へ悲壮覚悟 正念場で優勝宣言「自分の柔道を100%出す」

東京五輪代表選考会の一つとなっている柔道グランドスラム(GS)大阪大会(22~24日)に臨む男子日本代表が20日、試合会場の丸善インテックアリーナ大阪で練習を公開した。22日の男子66キロ級は17、18年世界選手権連覇の阿部一二三(日体大)が、今年の世界選手権を制した丸山城志郎(ミキハウス)の五輪内定阻止へ、決意を語った。

阿部一二三【写真:浜田洋平】
阿部一二三【写真:浜田洋平】

阿部一二三は五輪出場崖っぷち、“天敵”丸山城志郎は優勝なら五輪代表大きく前進

 東京五輪代表選考会の一つとなっている柔道グランドスラム(GS)大阪大会(22~24日)に臨む男子日本代表が20日、試合会場の丸善インテックアリーナ大阪で練習を公開した。22日の男子66キロ級は17、18年世界選手権連覇の阿部一二三(日体大)が、今年の世界選手権を制した丸山城志郎(ミキハウス)の五輪内定阻止へ、決意を語った。


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 五輪は男女7階級で出場権は各階級1人。日本代表の選考は3段階あり、一つは8月の世界選手権優勝者が今大会を制し、試合後に行われる全柔連強化委員会で出席者の3分の2以上が賛成すれば内定する。男子66キロ級では、今夏の世界選手権を制した丸山が優勝すれば、代表内定の可能性が高まる状況だ。

 若くして東京五輪金メダル候補の呼び声が高かった22歳の阿部は、五輪初出場の道が消滅する危機でもある。望みをつなぐため「自分自身の柔道を見せつけるしかない。阿部一二三という存在をたくさんの人に見てもらいたいというか、見せつけたい」と悲壮な覚悟を示し、一本柔道にこだわりを見せた。

 昨年のGS大阪は決勝で丸山と対戦し、5分過ぎに巴投げによる技ありを奪われた。国内では約2年ぶりの敗戦となり、今年4月の全日本選抜体重別選手権でも丸山に連敗。2連覇中だった世界選手権は代表2枠目に滑り込んだが、6月の代表合宿で左足首を負傷して7月中旬まで練習できず。丸山との準決勝は、ゴールデンスコア方式の延長3分46秒に技あり(隅返し)を奪われ、東京五輪出場の最大の壁となる“天敵”を前に悔し涙を流した。

 五輪金メダルに向けた正念場。丸山に対し「何度もやっている相手なので、気持ちのぶつかり合いだと思う」とライバル心を吐露。「悔しさを晴らすのは、1回勝つだけじゃだめ。東京五輪に出場して、五輪で優勝するまで悔しさは晴れない。何が何でも出場して金メダルを勝ち取りたい。挑戦者の気持ちで初心に戻ってやりたい」と気合を入れた。

 神戸市出身の阿部にとって、シニアの国際大会では昨年大会に続き2度目の関西凱旋試合。約1時間の練習で汗を流し、得意の背負い投げや袖釣り込み腰を確認した。女子52キロ級の妹・詩(日体大)は、丸山と同様に代表内定に王手をかけた状況。兄妹での五輪金を実現させるためにも、兄は「もうしっかり勝ち切るしかない。覚悟を決めて、自分の柔道を100%出して勝ちたい。僕は勝ち続けるしかないので、しっかり自分の気持ちを出して勝ちたい。緩みも一切ないし、初めから全開でやりたい」とした。

 代表が決まらなかった階級は、来年2月までの主要国際大会終了時点の実績で判断され、最終選考会は4月の全日本選抜体重別選手権となる。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)




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