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ジョセフHCを電話一本で日本代表入りさせた男 “赤鬼”が8強入りを確信する理由

ジョセフ氏の日本代表入り決めたマコーミック氏の電話

 日本ラグビー史に永遠に刻まれるであろう、初の外国人主将となったマコーミック氏。だが、その任命のタイミングはあまりにも予想外で、あっけなかった。

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「直接話をする前に決まっていたんです。98年かな、ジャパンとブランビーズ(オ―ストラリアのスーパーラグビー強豪チーム)との試合があって合宿をしていた。ホテルのミーティングルームに入ると、ホワイトボードにメンバーが書かれていた。その頃のキャプテンは(元木)由記雄だったけど、僕のポジションの13のところに〇があった。僕は平尾さんが、12番の由記雄と間違えたと思ってたけど、ミーティング中に平尾さんは何も言わなかった。

 ミーティングが終わってから、平尾さんから残るように言われて『いろいろ考えたが、今年はアンガス(マコーミック氏の愛称)』と言われたんです。僕は『ええ? ワオ』って感じだったね。まず1シーズンやってみましょうという話しだった。でも、その週はブランビーズに勝って、チームも悪くない状態だったから続いたんだと思います。日本代表のキャプテンを任されて感じたことは、責任がある、喜びもあった。誇りも感じましたね。ちょっとサプライズもね」

 マコーミック主将で挑んだ99年大会には、現在日本代表を率いるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)もメンバー入りして共に桜のジャージーを着て世界と戦った。当時の日本代表での経験が代表指揮官就任の大きな要因となったわけだが、マコーミック氏が一本の電話の逸話を苦笑交じりに教えてくれた。

「ワールドカップイヤーの99年に、平尾さんがグレアム(・バショップ)とジェイミーを代表に呼んだでしょ。あの前に平尾さんが僕に電話してきて『どう思う?』と聞かれたんです。僕は『経験が高いからいいと思う』と話したら平尾さんに『じゃあアンガスが2人に電話して』って言われて、僕がジェイミーに電話したんです」

 2000年の代表選手規約の変更までは、他国の代表経験者も比較的容易に代表になることができた。そのため、95年大会ではオールブラックスの一員として活躍した2人も日本代表でプレーができたのだ。

 しかし、2人のオールブラックス経験者とマコーミック氏らを擁した布陣でも、本大会では1勝も挙げることはできなかった。

「プロとアマチュアの違いがあった。でも、平尾さんは、ユニークなビジョンを持っていたし、すごく先を見ている人だったから、おもしろかった。サインプレーも工夫があった。僕をキャプテンに選んでくれた平尾さんに、感謝の気持ちを返したかった。結果が残せなかったので心悲しかったですね」

 当時と、いまやベスト8入りを視野の捉えている日本代表の最大の違いを、マコーミック氏は、こう指摘する。

「一番の違いは、あの当時は一緒に活動する時間がなかった。世界のラグビーは96年からプロだったけれど、私たちはアマチュアだった。平尾さんは、きっと大変だったと思うよ。たとえば99年のパシフィック・リム(当時の環太平洋諸国が参加した国際大会)で優勝したけど、その後の代表合宿にも、選手は全然集まらなかった。1度、3日間くらい合宿して、ワールドカップ2週間前に集まりました。

 僕たちは、東芝の網走合宿から合流したんですけどチームの合宿で疲れていましたね。実感としては、パシフィック・リムからワールドカップまで、チームは伸びなかった。“フォー・ジャパン(日本代表のために)”という強化のピラミッドがなかった。世界から5年は遅れていたんじゃないかな。でも、いまはキャッチアップしてきています」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19年と6大会連続で取材。

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