カタールW杯準決勝

　サッカーのカタール・ワールドカップ（W杯）は13日（日本時間14日）、準決勝でアルゼンチンがクロアチアを3-0で破り、2014年ブラジル大会以来2大会ぶりの決勝進出を決めた。FWリオネル・メッシが前半にPKで先制ゴールを奪ってW杯通算11点目をマーク。アルゼンチン代表最多得点記録を更新した。悲願成就まであと1勝。希代のスーパースターが優勝に王手をかけた。

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　感情が爆発した。苦しみながらも手にした優勝チャンス。メッシは仲間だけでなく、スタンドのサポーターとも喜びを分かち合った。圧巻の1ゴール1アシスト。円熟味を増した35歳のエースは光り輝いた。

　開始直後は両チームとも出方をうかがう慎重な試合運び。だが前半32分、相手守備ラインの裏に抜け出したアルバレスがクロアチアGKリバコビッチに倒されてPKを獲得した。キッカーはもちろんメッシ。今大会、PK戦で大活躍のリバコビッチに対し、左足でゴール右上隅にシュートを突き刺した。

　これで主導権を握ると同39分、ハーフウェーラインからフリアン・アルバレスが強引にドリブルで持ち込み、一人で最終ラインも突破。そのまま右足で追加点を奪った。

　後半、反撃したいクロアチアだったが、またもメッシに翻弄された。アルゼンチンは24分、右サイドからボールを運んだメッシが緩急をつけたドリブルでDFグヴァルディオルを突破。ゴールライン寸前からマイナスのクロスでアルバレスのゴールをお膳立てした。

　今大会の5失点をすべて後半に喫しているアルゼンチン守備陣も奮起。クロアチアの司令塔モドリッチを中盤からしっかりチェックし、FWペリシッチらへのボール供給もほとんど許さなかった。終盤には今大会出場機会が少ない選手を投入する余裕の采配。これ以上ない完勝だった。

　アルゼンチンが決勝に駒を進めたのは2014年ブラジル大会以来、2大会ぶり。その時はドイツに延長戦の末に敗れ、メッシは涙をのんだ。8年越しに訪れたリベンジのチャンス。2年前に亡くなったマラドーナ氏が大活躍してトロフィーを掲げた1986年メキシコ大会以来の優勝に向け、いよいよ機は熟した。