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LGBTQへの理解・気づきのきっかけに ラグビー廣瀬俊朗、五輪の多様性に見た社会の課題【THE ANSWER Best of 2021】

LGBTQの存在、思いへの気づきのきっかけになれば

 今回はスポーツ界におけるLGBTQもまた、注目を集めました。まだまだ議論が必要なテーマでしょうが、女子重量挙げに出場したニュージーランドのローレル・ハバード選手はトランスジェンダーを公表し、ゲイを公表している男子高飛び込みの英国代表トム・デイリー選手は金メダルを獲得。これまでもLGBTQの選手はいたでしょうが、メディアで取り上げられる機会も多く、見る側がより意識するようになったと思います。

 スポーツ界では長い間、LGBTQであることを公表できない雰囲気がありました。それが本当に少しずつではありますが、公表する選手を受け入れる体制ができてきた感じがします。世界に比べると日本は少し遅れているかもしれませんが、デイリー選手が結果を出した上で、ゲイで金メダリストであることを誇りに思うといったコメントを残してくれたことに、いい刺激をもらえたのではないでしょうか。

 日本でも同性婚が認められるよう、LGBTQの方々が様々な活動をしています。残念ながらなかなか認められない現実がありますが、LGBTQの方々の存在や大変な思いに1人でも多くの人が気づき、そういった声に耳を傾けられるようになるといいなと思います。

 スポーツをきっかけに、社会があるテーマについて考え、議論することは、とても有意義なことだと思います。例えば、今回の五輪では体操女子米国代表のシモーネ・バイルズ選手がメンタルヘルスを優先させるために団体戦を棄権し、テニスの全仏オープンでは大坂なおみ選手も同じ理由で棄権しました。

 これまでは根性論でアスリートは弱さを見せてはいけない風潮がありましたが、本当にしんどい時はしんどいと伝えることはむしろいいことで、するべきことだと思えるきっかけになった。これはスポーツ界の未来に繋がりますし、子どもたちをはじめ、社会に力強いメッセージとして伝わったのではないでしょうか。

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廣瀬 俊朗

THE ANSWERスペシャリスト 元ラグビー日本代表 実業家

1981年10月17日生まれ。大阪府出身。5歳からラグビーを始め、北野高(大阪)、慶大を経て、東芝入り。07年日本代表初選出。主将も務め、キャップ数28。16年に現役引退後、ビジネス・ブレークスルー大学大学院で経営管理修士(MBA)取得。公式アンバサダーを務めた19年W杯は解説のほか、国歌を歌って各国をもてなす「Scrum Unison」、TBS系ドラマ「ノーサイド・ゲーム」出演など、幅広い活動で盛り上げた。現在は株式会社HiRAKU代表取締役。ラグビーにとどまらずスポーツの普及、教育、食、健康に重点を置いた様々なプロジェクトに取り組む。日本テレビ系「news zero」木曜パートナーとして出演中。

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