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“最後のシーズン”が2月1日開幕 岐路に立つサンウルブズに残された選択肢…CEO激白

世界最高峰のラグビー・リーグと呼ばれる「スーパーラグビー(SR)」に、日本から参戦するサンウルブズが岐路に立たされている。オーストラリアの強豪レベルズを迎え、福岡・レベルファイブスタジアムで行われる2月1日の開幕戦から5シーズン目の挑戦をスタートするが、SRの運営団体SANZAARは昨年3月にサンウルブズの今季限りでのSRからの除外を決定。日本代表選手の強化にも大きな追い風となったチームは、来季以降の存続が不透明な中で新シーズンのキックオフを迎える。

サンウルブズはスーパーラグビー最後の戦いに挑む【写真:Getty Images】
サンウルブズはスーパーラグビー最後の戦いに挑む【写真:Getty Images】

日本代表強化の一翼を担ってきたスーパーラグビー参戦は終わりを迎えるのか

 世界最高峰のラグビー・リーグと呼ばれる「スーパーラグビー(SR)」に、日本から参戦するサンウルブズが岐路に立たされている。オーストラリアの強豪レベルズを迎え、福岡・レベルファイブスタジアムで行われる2月1日の開幕戦から5シーズン目の挑戦をスタートするが、SRの運営団体SANZAARは昨年3月にサンウルブズの今季限りでのSRからの除外を決定。日本代表選手の強化にも大きな追い風となったチームは、来季以降の存続が不透明な中で新シーズンのキックオフを迎える。


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 ワールドカップ日本大会の熱気が続く中で開幕を迎えるスーパーラグビーだが、サンウルブズは“迷走”しながら新シーズンをスタートする。

 25日に福岡・ミクニワールドスタジアム北九州で行われたプレシーズンマッチは、コカ・コーラレッドスパークスらを主体に編成されたチャレンジ・バーバリアンズに81-28と快勝。機動力抜群のPRジャレッド・アダムス、パワフルなランを見せたWTBシオサイア・フィフィタ(天理大)らが“最強リーグ”での活躍を期待させた。その期待とは対照的に、SANZAARとサンウルブズは数シーズンをかけて協議を進めてきたが、2018年中には除外される方向性が固まっていた。対戦チームの日本への遠征の負担、放映権料などファイナンスの問題が主な理由とされるが、昨季までの4シーズンで常に最下位争いを続けた実力も伏線となっているのは間違いない。

“最後のシーズン”開幕を前に、チーム運営のトップに立つ渡瀬裕司CEOが苦しい胸の内を語った。

「今の置かれている状況は、もちろん大変です。今まで2019年ワールドカップというのが日本中のターゲットで、サンウルブズができた理由というのも、まさにワールドカップで日本代表が成果を残すため。そういう錦の旗のもとでやってきたわけです。現状では、日本協会の中でも2023年(ワールドカップ・フランス大会)へ向けて強化をどうしていこうかという話をしています。その中でサンウルブズが21年以降はSRにいられないのは、間違いなく大きな痛手になる」

 同CEOが重視するのは、サンウルブズが日本代表強化に果たしてきた役割だ。ワールドカップ日本大会では主力メンバーとして活躍したCTB中村亮土(サントリー)らの成長には、SRで南半球強豪国の選手のフィジカルを体感し、技術を上乗せできたことが影響したのは間違いない。今後も日本代表クラスの選手の強化には、SRの環境が重要だという思いは強い。

29日に都内で続投決定後初めての会見を行った日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチも「SRが選手によりハードな、よりタフな試合を経験する貴重な機会だった。それはテストマッチの準備のためには非常にメリットがあった」とサンウルブズの除外には疑問を示している。

 SRはニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの3か国が、代表強化、本格的なプロリーグ誕生をめざして2011年に、前身のスーパー14を発展させる形でスタートした(現在はアルゼンチン、日本が参入)。参画チームは各国の地域(州)代表をベースにシーズン期間のみ編成されるが、SRでの活躍が代表選考にも影響するため、世界トップクラスの選手のハイレベルのプレーが繰り広げられている。

 日本ラグビー協会が、敢えて南半球で行われるSR参戦を目指したのも、代表選手強化が大きな理由だった。代表強化のためにニュージーランド、イングランドといった“ティア1”と呼ばれる世界トップ8クラスの強豪国との対戦を求めたが、ティア1チーム同士が年間10試合以上の対戦を組む一方で、日本代表がティア1国と組める試合は年間4試合程度。広がる“格差”を埋め合わせるために講じたのが、ティア1国の代表選手がプレーするSRへの参画だった。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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