ここが変だよ日本の相撲 米紙が見た“女人禁制”の違和感「国際的な普及が難しく…」
なぜ女性が土俵に上がれないのか「こうした考えがあるために…」
相撲という競技は、徹底的に男性社会の中ではぐくまれてきたと改めて強調。記事では「伝統的に女性は土俵に上がることさえ許されてこなかった。そこが『神聖な場所』と考えられていたからだ。スポーツの専門家の中にはこれを深刻に受け止める者もいる」とし、2018年4月に物議を醸した事件を例に出して相撲における特異性を伝えている。
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「一昨年、京都府舞鶴市で開催された大相撲春巡業で、あいさつ中の市長が倒れた際、救命措置のため土俵に上がった女性に対し土俵を下りるようアナウンスがされた。これも、女性が神聖な場所を汚すという考えからだ。こうした考えがあるために、女性の競技参入が難しくなっている。そして、それは国際的な競技の普及が難しくなっていることも意味する」
記事では、1997年に日本では初めて女性のための相撲の国際大会を主催したこと。その約20年後の2018年、IOC(国際オリンピック委員会)は国際相撲連盟を競技団体として承認。相撲の夏季五輪競技採用への第一歩となったことも紹介している。
遅まきながら女性にも門戸が開かれつつある現状を伝えつつも、「ただ、日本の女性にとって相撲への参入が難しくなっている理由は伝統だけでない。文化的なプレッシャーである。学問分野での期待に加え、家庭内での要求があるばかりでなく、高いキャリアを目指したり、政府内でリーダー的ポジションを任される機会も増えた。一方で、スモウを含む男性社会の伝統へ女性を組み込もうとする動きはほとんどない」と冷静な見方も示している。
「男女両アスリートにとっての今年のハイライトとなる今夏のオリンピックは、日本の女の子たちがスモウを含んだスポーツへの夢を追いかけるきっかけになるだろうと、スポーツにおける活動を続ける人たちは考える。スモウは正式種目に採用はされていないが、日本政府、そして五輪組織委員会は伝統的な文化活動の1つとしてスモウを訪日外国人に披露することが求められている」
こう結ばれている。皮肉なことに五輪競技ではない相撲が、東京五輪のために日本を訪れる観光客に対して、自国のアイデンティティを示す材料となっていることに違和感を覚えている様子だ。日本が注目を浴びるのと比例し、日本の文化である相撲に対しても、海外から熱い視線が注がれている。
(THE ANSWER編集部)