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中1から貧血に悩む女子中学3年生 鉄剤服用も陸上長距離のタイム伸びず…食事でできる改善策は?

栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第42回は読者から届いた質問に回答。食事でできる貧血改善策について。

食事でできる貧血改善策について【写真:Getty Images】
食事でできる貧血改善策について【写真:Getty Images】

連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第42回

 栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。プロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第42回は読者から届いた質問に回答。食事でできる貧血改善策について。

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 陸上部で長距離をやっています。中1から貧血に悩み、医者から鉄剤を処方されています。食事は3食、ごはんをどんぶりで食べ、できるだけ果物も取っていますが、症状はあまり良くならず、タイムも伸びません。また、夏になると食べてもすごく体重が減ってしまいます。普段は身長161cm、体重49kgで、生理も毎月きています。(中学3年生)

 貧血には様々な種類がありますが、陸上の長距離選手に多くみられるのが、鉄欠乏性貧血。これは血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの材料、「鉄」が不足することによって生じる貧血です。鉄が不足する要因は、バランスの悪い食事、生理や発汗、消化管出血などが挙げられます。

 鉄欠乏貧血になると、酸素運搬を担うヘモグロビンの数が減少し、体は常に酸欠状態になります。すると、だるい、疲れやすい、持久力が低下するといった症状が表れ、質問者さんのように「記録が伸びない」という悩みを抱えるようになりなります。

 特にアスリートは運動中に使われる酸素が多いため、一般の人よりも多くの鉄が必要です。ただし、よく誤解されますが、鉄だけを補給すれば改善されるわけではありません。

 鉄はいわばヘモグロビンの土台です。土台の鉄にタンパク質がくっついて初めて、ヘモグロビンになりますし、ヘモグロビンが体内で働くためのスイッチを押す役目を担うのはビタミンB群です。その他、様々なミネラル成分が協力し合って初めて、鉄がヘモグロビンとして体内で働いてくれるのです。

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吉谷 佳代

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

江崎グリコ株式会社で健康食品開発や、スポーツサプリメントの研究開発に従事。その傍ら、多くのアスリート、学生スポーツ、ジュニアへの栄養指導、食育イベントに携わる。2013年に独立。以降、ジュニアからトップアスリートまで幅広い競技の選手に対し、栄養サポートを行う。現在、プロ野球・阪神タイガース、実業団女子バレーボール・JTマーヴェラスのチーム専属栄養士。過去には、シスメックス女子陸上競技部(2015~2020年)、Bリーグ・西宮ストークス(2014~2017年)、自転車ナショナルチーム(2013~2018年)をはじめ多くのプロ選手やジュニア選手の栄養サポート実績を持つ。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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