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アスリートの睡眠時間が短くなる理由 2位は「SNSの影響」、カフェインの摂取方法も注意

睡眠の問題解決に食生活からできること

 さて、アスリートの睡眠の問題の解決には、食習慣からできることもいくつかあります。

 十分な睡眠時間を確保し、眠りの質を上げるためには、「規則正しい生活」と「カフェインの摂取方法」がカギです。その理由は「体内時計」に関係しています。体内時計とは人に備わる生体リズムを調整するメカニズムです。その役割の一つに、ホルモンの分泌など生理的活動を調節し、睡眠に備え、眠りのタイミングを決める、というものがあります。そのため、不規則な生活が続き、体内時計が狂うと、睡眠のコントロールがうまくいかなくなると考えられています。

 実は体内時計を正常に作動させ、質のよい睡眠を確保するためには、食習慣の見直しが欠かせません。「布団に入ってもなかなか眠れない」「眠りが浅い気がする」という選手は、次の2点を、実践してみてください。

<1>食事はできるだけ決まった時間に摂り、夕飯は早めに摂る

 食事は体内時計を整えるスイッチになります。3度の食事はできるだけ決まった時間に摂るように意識します。

 特に朝の過ごし方はとても大切です。まず、決まった時間に起床し、朝食を摂ること。そして朝食のメニューは少なくとも糖質とタンパク質を揃えます。糖質は午前中のエネルギー源になり、たんぱく質は睡眠を促すメラトニンの分泌を促します。可能であればこれに、野菜や野菜ジュースをプラスし、ビタミン、ミネラルも摂れるとベストです。

 また、夕飯は早めに済ませるのがポイント。就寝時間に近くなるほど、胃腸での消化・吸収の活動を妨げる恐れがあり、眠れなくなる、睡眠の質が下がる要因になります。

<2>カフェインは摂る時間と量をチェック

 カフェインの耐性は非常に個人差が大きく、それこそ寝る直前にコーヒーを飲んでも何の問題もない人もいれば、夕方にほんの少しでも摂ってしまうと入眠が妨げられたり睡眠の質が低下したりする人もいます。

 一般的にカフェインの効果が半減するまでに約5時間かかると言われています。例えば夕飯後、19時にコーヒーを飲んだら24時までしっかり体内に残ります。ですから敏感な人は就寝時間の5時間以上前から、カフェインの摂取を控えることをすすめます。

 カフェインを摂ると自分の体はどう反応するのかを自覚することは、アスリートにとってとても大切です。普段から無意識にカフェインを摂り過ぎていないかも、見直しましょう。

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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