“プロテインブーム”が続く日本 今、正しく知るべき「たんぱく質」の知識
Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「たんぱく質の適切な摂取」について。
公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「たんぱく質の適切な摂取」
Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「たんぱく質の適切な摂取」について。
◇ ◇ ◇
仕事柄、他国に渡った際は必ず、現地の市場やスーパーを回り、その国の食材を見て回ったり、取り扱っている食品の傾向を観察したりしています。アメリカで一般向け・高齢者向けのプロテイン商品を多く見かけるようになったのは、5~6年前からのこと。当時の日本では、プロテイン商品はアスリートやスポーツ愛好家、健康志向や美容意識の高い一部の人が購入するもの、という立ち位置。アメリカでの商品展開をみて、新鮮に感じたことを覚えています。
昨年あたりから日本でも、ちょっとしたプロテインブームが続いています。テレビや雑誌、WEBメディアでも、「炭水化物を食べると太るから、代わりに肉(たんぱく質)をたくさん食べる」「健康や美容のためにプロテインパウダーやプロテイン入りのスポーツバーを食べる」というコメントをよく見かけますし、コンビニエンスストアやスーパーの商品棚にも、プロテイン量を強調したスナック類やヨーグルトが非常に増えたと感じています。
そもそも、1日に必要なたんぱく質量(推奨量)ですが、最新の日本人の食事摂取基準(2020年度版)によると、成人男性で1日60~65g、成人女性で50gです。性別問わず、体重1kgに対し、約1gが目安と覚えておくとよいでしょう。ただし、これは一般の人の基準値。アスリートの場合は体重1kgに対し、1.2~2gが必要量の目安(競技やトレーニング計画の時期により異なります)となります。
では、1日に何をどれだけ食べればよいかを知るために、具体的な食品でたんぱく質量を換算してみましょう。