女子アスリートの将来に一石 7人制ラグビー日本代表主将が自分でチームを作ったワケ
東京五輪開幕まで、あと7か月強。前回のリオ大会から正式種目となっている7人制ラグビーの女子日本代表主将が、新しいコンセプトの女子楕円球チームを立ち上げた。
新たに立ち上がった「ナナイロ プリズム福岡」中村知春・選手兼GMを単独インタビュー
東京五輪開幕まで、あと7か月強。前回のリオ大会から正式種目となっている7人制ラグビーの女子日本代表主将が、新しいコンセプトの女子楕円球チームを立ち上げた。
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「ナナイロ プリズム福岡」
五輪を目指す多くのアスリートたちにとって共通課題とも言えるデュアルキャリア、すなわち引退した後のセカンドキャリア問題の解決に大きな一石を投じる可能性を秘めた「ハイブリッド・プロフェッショナル」(村上秀孝CEO)を掲げるチーム結成の狙いはどこにあるのか――。
「THE ANSWER」では、長年ラグビー取材をしてきた出村謙知氏が五輪に向けて代表チームでの拘束が年間240日というハードスケジュールの合間を縫いながら、選手兼任のGMとして新チーム立ち上げに奔走中の中村知春・サクラセブンズ主将に訊いた。
◇ ◇ ◇
――日本開催のラグビーワールドカップが終わり、来年の東京五輪に向けて7人制ラグビーへの注目度が高まる中、自ら新しい女子チームを立ち上げることにした理由はなんでしょう。
「ワールドカップの成功もあって、オリンピックのある2020年まではラグビーブームは続いていくと思うんですが、その一方で一気に盛り上がったブームは急速に冷めていきやすいし、オリンピックの後が一番の問題だという認識でいます。
私自身、2012年からサクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)のキャプテンをやらせてもらい、2016年のリオではメダルを取りたいということだけを考えていた。でも、実際に負けてしまった後(日本女子は12チーム中10位)、自分の中には何も残らなかったような感覚があって、そもそもなぜメダルが取りたかったのかを考えていくと、女子ラグビーの文化を残したかったからなんだというところに行き着いた。
もちろん、来年の東京オリンピックでメダルを取るということも重要なんですが、地域に根ざしたかたちで必要とされるチーム、応援してもらえるチームをつくることも文化を残していく手段のひとつだという考えが強くなって、まだ、現役選手だけど、私がいま動くことでロールモデルを示せれば、と」