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久保建英と安部裕葵、メガクラブ入り礎を作った恩師の教えと「一流の証」の共通項

プロトレーナーの木場克己氏【写真:荒川祐史】
プロトレーナーの木場克己氏【写真:荒川祐史】

久保と安部の共通点は「プロ意識の高さ」

 一方、安部との出会いは広島・瀬戸内高1年時。同校サッカー部のコンディショニングアドバイザーを務めた縁だった。

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「月に直接1度、体幹、バランスを指導していました。2年生までは目立たない存在でしたが、座学で体幹の重要性をずっと説明していました。その中でも必ず長友らトップアスリートの話は出てくる。長友は腰痛を抱えてからのトレーニングのスタートでしたが、体幹を鍛えることで怪我をしない体ができるという認識が、安部にとっては入り口になったと思います。2人とも長年トレーニングを通じて、自分の体の変化に気付いていったと思います」

 また久保と安部、両者には大きな共通点があるという。

「プロ意識の高さですね。真面目さ、継続性です。色々なトレーニング、様々なアプローチが存在する中で、自分のメソッドを実直に取り組み続ける。継続は力なりと言いますが、そこは大きな才能です。安部は周囲から色々紹介されたようですが、最終的には『選んだのはKOBAトレですよ』と話してくれたのはすごく嬉しかったですね。

 彼は免許のない時代に鹿島から亀戸のジムまで長距離バスでやってきました。建英は自分の講演会まで足を運んできたこともありました。講演の合間の時間にわざわざトレーニングしたい、という熱意があった。凄い才能の持ち主でも、継続性のないアスリートと出会うことがありました。プロ意識が低いままで、才能の全て開花させるケースはあまり多くありません。そこまでするのか、という真剣度が一流の証だと感じています」

 そして、強固な師弟関係もまた共通項だという。

「彼らに『今日どんなトレーニングにしようか?』と質問すると、2人の答えはいつも『全部、任せます』と。トレーニングの結果がパフォーマンスや体の進化で表れている。だからこそ『任せる』という言葉になって、100%の努力で取り組んでくれる。ビッグクラブに移籍した2人ですが、そこも共通点でしょうね」

 久保はバルセロナ、FC東京、横浜M、安部は鹿島と所属クラブがありながら、木場氏のメニューを欠かさなかった。特性ゴムチューブやファンクショナルマットなどを用いる独自のトレーニングメソッドを誇る木場氏。海外移籍を果たしたサッカー選手のみならず、現在では数々の五輪競技の日本代表候補選手もその門を叩くようになっている。

 最大のトレーニング効果を引き出す名伯楽との出会いは日本サッカー界の次代を担う至宝にとって、かけがえのない財産となったかもしれない。

(THE ANSWER編集部)

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木場 克己

KOBA式体幹バランストレーニング協会代表

プロトレーナー

 小2年で柔道を始め、小6の南九州柔道大会で優勝、優秀選手賞を獲得。中3で県内の大会のタイトルを優勝で飾る。全九州大会団体の部で優勝・県大会軽量級個人戦2位。高校でレスリングを始め、56キロ級九州大会で優勝。インターハイ、国体は団体戦3位。腰椎圧迫骨折で現役を退き、医療人の道へ。鍼灸師、柔道整復師、FC東京ヘッドトレーナー(95~02年)、G大阪ユーストレーニングアドバイザー(2016年~)、長友佑都専属トレーナー。

URL:http://kobakatsumi.jp/

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