2027年ラグビーW杯日本代表最新序列 登録33人の輪郭は…1~2枠の余白、エディーHCが口にした「大学生」は誰だ
45人→33人 誰を削り、誰を残す? W杯メンバー編成の妙
別表では45人の選手を勝手にリストアップしているが、SH(3)はいずれか1人と換算すると43人。33人というW杯の選手登録数を考えれば、仮想であるこの顔ぶれでも10人を削らなければならない厳しいセレクションが、ここから始まることになる。この過酷な33人枠争いの中で、一つだけ“裏技”にも触れておこう。
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エディーがコストリーに象徴されるようなマルチポジションの選手を盛んに起用してきたのも、W杯という短期決戦の中で33人枠を、どう有効に活用出来るかというチャレンジのためだ。いずれかのポジションで1枠でも減らすことが出来れば、選びたい選手を1人増やせる。その一方で、ユーティリティー選手を入れるために、1枠が削られる可能性もある。そんなやり繰りも代表HCの重要な仕事になっている。
その中で、オーストラリアという日本にとっては時差が障壁にならない国でW杯が開催されることを有効利用出来る可能性が僅かに残される。先に「3人が選ばれる」と紹介したSHを2人に減らす考え方だ。負傷などの緊急事態を踏まえれば、個人的には「3人」がベターだと考えるが、過去のW杯を振り返ると3人枠が定石のポジションの中で、HO、SHの場合は3人目が出場経験無し、もしくはほぼ無しという大会は少なくない。
23年大会のHO堀越康介(東京SG)は出場0、SH福田の通算出場時間は僅か5分、19年大会ではHO北出卓也(神戸S)、SH茂野海人(トヨタ)共に出場なしに終わっている。消耗の激しいPR勢は、3人をローテーションする使い方もあるが、この2つのポジションでは3番手は、怪我などを想定した補充要員という位置づけでもある。HOに関しては、スクラムでのコンビネーションなどを考えると「3人目」をチームに帯同させる必要があるが、SHの場合は33人枠外として、2人のSHの何れかがプレーするのが難しいトラブルが起きた時に、初めて追加招集するという編成もあり得る。実際、エディー自身もイングランドでの2015年大会でSH2人体制を採用している。
ヨーロッパでの大会なら、追加招集される選手が長時間のフライトを経て、時差も含めたコンディションを整えながら、練習からも離れていたチームとコンビネーションを高めていくだけで1週間近い時間を要する可能性がある。だが、10時間近いフライトがあっても、時差の影響がなく、開催期間が春のオーストラリアなら日本から追加招集の負担はそこまで難しくはない。更に、大会期間中に33人枠以外で代表チームに常時帯同させるやり方もある。この裏技を使えば、もう1枠を他のポジションの選手に充てることが出来るのだが、果たしてどこまで33枠のやり繰りが出来るか。ここは、エディーと首脳陣の手腕の見せ所でもある。
このようなセレクションの中で、エディーの「トライゲッター待望論」に加えて新たに加わる戦力がいるとすれば、エリジビリティーと呼ばれる居住資格をクリアした即戦力の外国出身選手たちに選考の余地はあるだろう。具体的に名を挙げれば、母国ニュージーランドでもオールブラックス入りを嘱望されながら呼ばれることの無かったFLラクラン・ボーシェー(埼玉WK)のような選手だ。ボーシェーについては、母国ニュージーランドのチーフス時代から、そのセレクションが不思議でならなかった。オールブラックス関係者が「サイズが足りない」と説明していた記事を目にはしたが、おそらく地面にあるボールに絡む能力、相手からボールを奪い取る力は、世界でも有数のスキルを持つ存在だ。
ここまでのジャパンの戦いぶりを見れば、残された1年という時間での最優先事項は組織としての戦術の完成度とコンビネーションを高め、スタイルの深みを増すことだろう。個々の経験値の積み上げは言わずもがなの課題だ。そこに「数人」という限られた数で、選手層に厚みを持たせる素材を加えることで、現時点でいみじくも目の前の壁となった「トップ8」とどう対峙して、乗り越えていけるのか。セレクションも含めて、10月のフィジーとの再戦、そしてトップ8との対戦が続く11月のネーションズチャンピオンシップ・ノーザンシリーズが、俄然楽しみになってきた。
(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)
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