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米国にも「女子マネ」はいるのか 性別に関わらない“部活サポート”の理想

「女子マネの献身」は美談か、性別に関わらず活動ができる環境を

 何年か前の話だが、ミシガン州立大のアメリカンフットボール部に女子のスチューデント・マネジャーが誕生したとして地元紙に取り上げられたことがあった。同大のアメリカンフットボール部のマネジャーは、これまで、ほとんど男子学生ばかりだったから、女子のスチューデント・マネジャーが新聞の記事になったのだ。この大学でも、春のトレーニング期間中にマネジャーのトライアウトがあり、ここで能力を認められると、マネジャーになることができる。アメリカンフットボール部でこれまで女子のマネジャーが少なかったのは、練習の補助、重い用具の持ち運びや管理という点で男子生徒より不利だったからではないかと思われる。

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 米国では1972年にタイトルIXという法律がつくられ、連邦政府の財政援助を受けているすべての教育プログラムでは、性別を理由に排除することがあってはならないと定められている。女性だからといって、学校の運動部活動の機会が得られない場合は、タイトルIX違反になる。女性だからといって、選手として活動する機会がなく、「女子マネ」しかできないのならば、タイトルIX違反になる。逆に女子だからといって「スチューデント・マネジャー」をしてはいけないとなると、これもタイトルIXに反することになるだろう。

 米国で、高校のバスケットボールのトライアウトに落ちた男子生徒が、男子部のマネジャーにならないかというオファーを受けたという記事を見かけた。女子だからと性別を理由にマネジャーをオファーすればタイトルIXに抵触するが、選手としての能力が十分でないからという理由でマネジャーという役割を提案するのは、法律違反ではない。このあたりは米国らしい能力主義といえるのではないか。

 女子だからといって、男子選手の縁の下の力持ちになる必要はない。伝統的な性役割の枠組みで「女子マネ」の献身を伝える美談は、私は嫌いだ。しかし、現在のスポーツ界は選手をサポートするために多くのスタッフがおり、それぞれの専門知識や技能を活かしている。マネジメントとの仕事は、現代のスポーツにはなくてはならない存在だ。学校運動部でも、選手を支えるマネジャーの仕事を担うのは、競技することと同じように価値のあることだと思う。だからこそ、性別に関わらず、マネジャーを含むスタッフとしての活動ができる環境であればと望む。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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