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女子ゴルフで「低迷脱出」はなぜ増えた? 上田桃子の分析、自身は「1回死んだ」言い聞かせ再生

諦めずに見つけた環境 木戸愛は30代後半で

 昨今の国内ツアーでは、上田と同様にトンネルから「脱出」する選手は少なくない。河本結は米ツアー撤退後、3季連続でシード圏外だったが、24年に年間ランキング7位に急浮上。昨季は2勝を飾って3位だった。堀琴音、柏原明日架、菅沼菜々は、森守洋コーチとの出会いをきっかけにカムバック。堀に関しては、高いトップから手元を低く下ろして打つスイングに改造し、パッティングではノールックストロークを駆使して昨季は日本女子オープンを制した。30代後半の木戸愛は、23年12月から尾崎将司さんに「とにかく振りなさい」と指導を受け、復活ロードを歩んで昨季は優勝争いも演じ、年間ランキング38位。6シーズンぶりにシード権を手にした。その背景には、テクノロジーの進化でスイングやストロークの解析が可能になった背景もあるが、上田は「何よりも諦めなかったことが大きい」と言った。

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「木戸さんはいろんな人にも習って、ジャンボ(尾崎)さんにたどり着いた。堀さんには森コーチの指導を受けながら、相談に乗ってくれる先輩たちも多くいた。河本さんはパッティングコーチやメンタルトレーナーもつけるなどし、新しい環境を作ったことが大きいと思います。みんな、いいものを持っているからプロになれているわけです。だからこそ、いい環境と根性が掛け合わさった選手が復活している。そんな印象を持っています」

 人気がある女子プロゴルフの世界は華やかに映るが、こうした選手、関係者による試行錯誤が繰り返されている。国内ツアー5勝で27歳の原は、昨季は米下部のEPSONツアーでそれを続けていた。結果は年間ランキング5位。見事に今季米ツアーの出場権を獲得した。この形は先に馬場咲希が10代で経験しているが、国内で実績のあるプロでは初。だからこそ、上田は原を頼もしく思っている。

「彼女のツアーカード獲得はすごくうれしかったですね。力も人気もあるのに、自分をより厳しい環境に置こうとする彼女の根性が好きです。承認欲求や諸々を捨てて、自分のやりたいことを貫くことは簡単じゃありませんし、『ゴルフが好きで、戦いたい』という強い意志を感じました」

 昨年8月、原がワイルドホースレディスゴルフクラシックでEPSONツアー初優勝を飾った際、上田は祝福メッセージを送っていた。

「『ありがとうございます。見てもらえているんですね』といった返信がありました。今の時代、27歳からの米ツアーへのチャレンジは遅くないですし、彼女にとっては一番いいタイミングだったと思います。選手のピークは人によって違いますが、精神的なピークを持ってくることが大事です。あれだけ華がある選手はなかなかいないですし、日本での実績とEPSONツアーを戦い抜いた自信を胸にさらに輝いてほしいです」

 ツアープロとして栄光、挫折の双方を経験した上田の言葉は重い。母となり、一線を退いても、その情熱は次代ヒロインたちの背中を押し続けている。

■上田桃子(うえだ・ももこ)
 1986年(昭61)6月15日、熊本市生まれ。9歳から坂田塾でゴルフを始め、2005年プロテスト合格。07年に「ミズノクラシック」での米ツアー初制覇を含む年間5勝を挙げ、21歳で当時の史上最年少賞金女王に輝く。08年から米ツアーに本格参戦するも13年にシード喪失。14年の国内復帰後は辻村明志コーチらの指導で復活を遂げ、第一線で活躍を続けた。日米通算17勝。21年に結婚し、24年シーズン限りでツアー休養。25年10月に第1子男児を出産した。

(柳田 通斉 / Michinari Yanagida)

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