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井上大仁の凄さを知っているか 「記録より世界」を公言する男の“負けてきた強さ”

2018年、男子マラソンは大いなる進化を遂げた。設楽悠太(ホンダ)が2月の東京マラソンで2位に入り、2時間6分11秒の日本新記録を樹立すれば、その8か月後に大迫傑(ナイキ)が10月のシカゴマラソンで3位に入り、2分5分50秒で日本記録を更新。日本実業団陸上競技連合から与えられる報奨金1億円のインパクトとともに、鮮烈な印象を与えた。しかし、“レースに勝つ”という面において、大きな成果を残したのは、この男ではなかったか。

アジア大会で一躍、東京五輪の有力候補に名乗りを上げた【写真:荒川祐史】
アジア大会で一躍、東京五輪の有力候補に名乗りを上げた【写真:荒川祐史】

マラソン東京五輪候補独占インタビュー「僕は勝ったことの方が少ない競技人生」

 2018年、男子マラソンは大いなる進化を遂げた。設楽悠太(ホンダ)が2月の東京マラソンで2位に入り、2時間6分11秒の日本新記録を樹立すれば、その8か月後に大迫傑(ナイキ)が10月のシカゴマラソンで3位に入り、2分5分50秒で日本記録を更新。日本実業団陸上競技連合から与えられる報奨金1億円のインパクトとともに、鮮烈な印象を与えた。しかし、“レースに勝つ”という面において、大きな成果を残したのは、この男ではなかったか。

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 8月、アジア大会。真夏のインドネシア・ジャカルタで行われたレースは時間を追うごとに気温が上昇し、30度を超えた。しかも、勝敗の行方はトラックにまでもつれる大熱戦。エルハッサン・エルアバシ(バーレーン)とのマッチレースとなったが、死力を尽くしたスパートをかけ、ゴール前でわずかに前に出たのはJAPANのユニホームだった。タイム差なしで優勝。日本勢では実に32年ぶりとなる快挙を達成したのが、井上大仁(MHPS)である。

「うれしかったという思いは、もちろんありましたね」――。あれから時が経ち、練習拠点の長崎で当時を回想した25歳。大接戦についても「準備してきたので、やれるというのはあった。最後まで自分を信じて頑張ることができた」と振り返る。

 一躍、東京五輪代表の有力候補に名乗りを上げた。ただ、前述の通り、設楽、大迫を筆頭に高速化を遂げ、目に見えるタイムがクローズアップされやすい。井上の自己ベストは2時間6分54秒。1歳上にあたる2人の活躍を、どう受け止めているのか。

「もちろん、歯がゆいのはあるし、選手としては良い気持ちはしない。でも、もう一方で自分をしっかり冷静に見て、自分に何が必要なのか。彼らと“勝った、負けた”を繰り返すだけがすべてじゃないだろうとも思う。自分が目指しているものは他にあるし、彼らももちろん目標は日本記録だけじゃない。大事なのは、気持ちで負けない意識を持ち続けることだと思う」

 至って冷静に、日本記録を待望する世間の見方と、ランナーの自分が目指すべき道を切り分け、分析していた。口ぶりは沈着冷静そのもの。自分を“もう一人の自分”の視点で見ることができるから、己の強みも理解している。

「自分は叩き上げの選手です」と井上は言う。「打たれ強さ、負けん気……。自分で言うのもなんだけど、それは強いと思う。最初からエリートでやってきたわけじゃない。その力は自分の強みにあると思っている」とも言った。

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