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日本の「球技の五輪」が終焉 史上最多男女11チーム、感動の名勝負続出も勝てず…宿題は「持続可能」な強化

2028年ロス五輪へ「持続可能」な日本代表を作るのは…

 男子バレーのイタリア戦を見て、72年ミュンヘン大会準決勝のブルガリア戦を思い出したオールドファンもいるだろう。2セットを奪われ、3セット目も大差をつけられてからの奇跡の逆転劇。64年東京大会の銅から68年メキシコシティの銀と積み上げて金メダルにたどりついた。

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 ただ、栄光は続かなかった。少数の選手を一貫強化して強くなったが、次が育たなかった。68年大会で銅メダルを手にしたサッカーも同じ。その後は長い低迷期に入った。釜本、杉山らメンバーを固定して強化したことで、世代交代ができなかったからだ。

 代表チームの強化は大切だけれど、それだけでは続かない。若年層の強化、育成システムの確立。次から次へとタレントを生み出し、高いレベルの代表を維持しないと「金メダル」を狙うのは難しい。日本サッカー協会はW杯や五輪の出場を決めた裏で「育成」にも力を入れていた。それがあったから、世界に出続け、成長を続けている。

 4年後のロサンゼルス大会に向けて、新しい挑戦が始まる。「持続可能」な日本代表を作るのは、選手ではなく協会やリーグの仕事。ロスでは野球・ソフトボールが行われ、ラクロス、フラッグフットボール、クリケットと団体球技が増える。

「球技の五輪」がまた見たいし、できれば終盤まで見たい。日本中を沸かせてくれた日本チームに感謝しながら。再び世界に挑むチームを応援したいと思う。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)


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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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