学校経営者へ異例の転身 元日本ハム田中賢介が進める「ふるさと納税」を活用した地域の教育支援
元プロ野球選手の田中賢介さんが、2月27日に一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)が開催した令和5年度スポーツ庁委託事業「大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」のシンポジウムに登壇。元バドミントン日本代表の池田信太郎さん、立命館大学の伊坂忠夫副学長と「スポーツ×地域の可能性」をテーマにしたトークセッションに参加し、ふるさと納税を活用した学校運営などについて語った。
UNIVAS開催のシンポジウムで「スポーツ×地域の可能性」を議論
元プロ野球選手の田中賢介さんが、2月27日に一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)が開催した令和5年度スポーツ庁委託事業「大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」のシンポジウムに登壇。元バドミントン日本代表の池田信太郎さん、立命館大学の伊坂忠夫副学長と「スポーツ×地域の可能性」をテーマにしたトークセッションに参加し、ふるさと納税を活用した学校運営などについて語った。
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田中さんは、北海道日本ハムファイターズやMLBのジャイアンツでプレーし、2019年に38歳で引退。通算18年間在籍した日本ハムの地元・北海道へ恩返しをしたいとの思いから、22年に「田中学園立命館慶祥小学校」を札幌市に開校し、理事長を務めている。
隣接する札幌大学と提携し、大学生が小学生にスポーツ指導を行うアフタースクールを実施するなど大学施設を活用しており、小学校の中だけに留まらない教育を実施。各自治体と連携して、教員をはじめ英語やプログラミングの教材を提供するなど協働事業も行っており、「小学校で前例を作って、公教育に生かされれば良いと思っている」と話した。
スポーツに関連するところでは、体育の授業を英語で行うイマージョン教育を採用。田中さんは「体を動かすことと、英会話をミックスさせた教科で、自治体(雨竜郡雨竜町、白糠町)にも提供している。小学生が英会話をできるようになるには、英語の授業だけでは足りない。実技科目の図工、体育、音楽などを全部、英語で行っている」と狙いを説明した。
地域への教育提供の財源に活用しているのが、ふるさと納税だ。学校開校時から包括連携協定を締結している雨竜町と協働事業を企画するなかで、課題に挙がったのが財源だった。ふるさと納税による寄付金を子育て支援や教育に活用している白糠町の取り組みを知り、事業展開に活用した。
北海道は、ふるさと納税先として人気だ。釧路市に隣接する白糠町は、2023年度のふるさと納税寄付額が、過去最高の約157億円(23年12月の速報値)。町村別で全国1位だ。雨竜町の22年度のふるさと納税寄付額は、約1億9540万円。協働事業の「田中学園・雨竜町こども未来プロジェクト」には、300万円が活用された。