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那須川天心が叫ぶ「闘うことの素晴らしさ」 1500万円超の寄付、施設の児童招待…初KOに秘めた姿

ボクシングの121ポンド(約54.89キロ)契約8回戦が23日、エディオンアリーナ大阪で行われ、東洋太平洋&日本スーパーバンタム級7位・那須川天心(帝拳)がルイス・ロブレス(メキシコ)に3回終了TKO勝ちした。相手が3回終了後に棄権を申し出。昨年4月のボクシングデビューから3戦目で初の世界ランカーを破り、競技転向後初のKO勝ちを飾った。

試合後、ファンの声援に応える那須川天心【写真:荒川祐史】
試合後、ファンの声援に応える那須川天心【写真:荒川祐史】

那須川天心がボクサー転向3戦目で初KO勝ち

 ボクシングの121ポンド(約54.89キロ)契約8回戦が23日、エディオンアリーナ大阪で行われ、東洋太平洋&日本スーパーバンタム級7位・那須川天心(帝拳)がルイス・ロブレス(メキシコ)に3回終了TKO勝ちした。相手が3回終了後に棄権を申し出。昨年4月のボクシングデビューから3戦目で初の世界ランカーを破り、競技転向後初のKO勝ちを飾った。

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 闘う姿を見せる重要性を語り、リングに上がった25歳。地震被災者に1500万円以上を寄付し、児童養護施設の子どもたちを招待した。外野の声とも闘いながら努力を続ける日々。暗いニュースが多い今、「闘うことの素晴らしさ」を伝えるために拳を振っていた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 ◇ ◇ ◇

「格闘技は勝つか負けるか、生きるか死ぬかの闘い。今回は世界戦が2試合あって、ウクライナから来ている王者もいます。『ウクライナは今も大変。空襲警報が鳴る』と聞きました。それでもここに来て試合をする。やっぱり格闘家には闘うことでしか見せられないものがあるだなと。いろんな想いを持った人がいるので、そのぶつかり合いを見てほしい」

 興行前、那須川は生で見てもらう重要性を投げかけた。「闘うことでみんなに進化を見せないと」。自分の存在がどこかの誰かのためになれば。そんな気概でリングに上がり、確かな進化を見せつけた。

 初回は静かに距離を測り、徐々に手数を増やした2回は左ボディーストレートが数回ヒット。ガードで受け、的確に打ち返す。圧力をかけて攻勢に出ると、3回は左ボディーでよろめかせた。「ここから」。セコンドから仕留めに行くよう指示。しかし、相手は棄権を宣言した。「終わり?」。拍子抜けするように苦笑いしたが、KO勝ちは時間の問題と思わせる内容だった。

「全局面で勝った。だから、相手の心が折れたんじゃないですかね。相手はやっていて『無理だな』って思ったと思う」

 ボクシングを知っている人ならば、9分間でも違いを感じ取ったはずだ。

 昨年4月、格闘技戦績47戦全勝の肩書きをひっさげ、ボクシングデビュー。「ディフェンスが一番大事。それができないと何事もできない」。最初は打たれない技術にほとんどの時間を割いた。9月の2戦目まではダメージを与える打ち方、スタミナ強化、フック、ボディーに着手。ダウンも2度奪い、初戦に続いてほとんどもらわず圧倒した。だが、判定決着に悔いが残った。

 外野の声が聞こえてくる。

「応援してくれる人もいるし、負けろって思っている人もいるかもしれない。いいこと、悪いことがあるけど、僕からボクシング界を巻き込んで最終的に報われるようにしたい。自分はちゃんと世間と闘っていると思う」

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