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サニブラウン、「1mmずつ」の成長で届いた世界の6位 高校時代の夢は「揺るがない」【世界陸上】

ブダペスト世界陸上は19日から連日熱戦が繰り広げられている。「ドナウの真珠」と呼ばれる美しい街並みを誇るブダペスト。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「陸上界の真珠たち」を届けていく。

世界陸上・男子100メートル決勝で走るサニブラウン・ハキーム【写真:Getty Images】
世界陸上・男子100メートル決勝で走るサニブラウン・ハキーム【写真:Getty Images】

ブダペスト世界陸上連載「陸上界の真珠たち」第3回

 ブダペスト世界陸上は19日から連日熱戦が繰り広げられている。「ドナウの真珠」と呼ばれる美しい街並みを誇るブダペスト。現地で取材する「THE ANSWER」では、選手や競技の魅力を伝えるほか、新たな価値観を探る連載「陸上界の真珠たち」を届けていく。

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 第3回は、20日(日本時間21日)の男子100メートル決勝で日本人過去最高の6位入賞を果たした24歳のサニブラウン・ハキーム(東レ)。この日は準決勝を自己ベストタイの9秒97(追い風0.3メートル)で突破すると、決勝は10秒04(無風)で6位に入った。2大会連続で決勝にたどり着く日本人初の歴史的快挙。「世界一」の目標は高校時代から揺るがない。「1ミリ」ずつ成長してきたことで、日本人による100メートルのメダル獲得が現実的になってきた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

 ◇ ◇ ◇

 世界で最も足の速い8人。その中で日の丸を背負う男は、高揚感を噛み締めていた。

「陸上競技を楽しもう」

 トラックに登場するだけで大歓声。「もの凄く楽しい」。世界中の姿勢を浴びたサニブラウンは8レーンについた。集中力は極限状態。静寂に包まれ、ピストル音が鳴り響く。中盤からの激しい競り合いに立ち向かった。わずかに遅れを取り、最後は胸を投げ出す。世界の6位だ。

「いやぁ、マジで悔しい」

 汗だくになり、取材エリアで連呼した。「マジで悔しいですね。全く満足してない。いやぁ、マジで今年は行けると思っていたので。悔しいですね」。同じ言葉を繰り返す。それだけ一つの感情が胸の中を占めていた。

「今年の方が(メダルに)もっと近い感覚があった。いっぱいいっぱいで走っていた去年に比べると、今年の方がめちゃくちゃ悔しい。去年は満身創痍での決勝。メンタルも、体もリセットをうまくできない状態で挑んだ。体も凄く動くし、痛いところもない。練習通りの走りをやるだけ。その中で最大のパォーマンスができなかったのが一番悔しい」

 昨年はタイムで拾われて決勝進出だったが、今年は自己ベストに並ぶ9秒97(追い風0.3メートル)で1組2着(全体6番手)の着順で堂々の突破。「去年よりは1ステップ上がったかなと思います」と確かな手応えを得た。

 2大会連続、男子100メートルで世界の8人に残った。歴史的偉業までには折れなかった心がある。

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