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フィギュア15歳中井亜美、中1で「新潟→千葉」拠点変更を決断 飽くなき向上心を支える家族の力

日本スポーツ界の将来を背負う逸材は幼少期からどんな環境や指導を受けて育ち、アスリートとしての成長曲線を描いてきたのか――。10代で国内トップレベルの実力を持ち、五輪など世界最高峰の舞台を見据える若き才能に迫ったインタビュー連載。今回は日本の女子フィギュアスケート界に現れた次世代スケーターの1人で、15歳の誕生日を迎えたばかりの中井亜美(TOKIOインカラミ)だ。世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得し、シニアのトップ選手が出場する全日本選手権で4位に入るなど大きな飛躍を遂げた今シーズン。中編ではスケーターとして大きな転機となった、中学進学時の「MFフィギュアスケートアカデミー」入りと千葉への移住について。12歳で地元の新潟を離れる決意をした背景について話を聞いた。(取材・文=松原 孝臣)

12歳で地元の新潟を離れ千葉へ拠点変更。中井亜美は自らの意思で進路を決断した【写真:積紫乃】
12歳で地元の新潟を離れ千葉へ拠点変更。中井亜美は自らの意思で進路を決断した【写真:積紫乃】

連載「10代逸材のトリセツ」、中井亜美(フィギュアスケート)中編

 日本スポーツ界の将来を背負う逸材は幼少期からどんな環境や指導を受けて育ち、アスリートとしての成長曲線を描いてきたのか――。10代で国内トップレベルの実力を持ち、五輪など世界最高峰の舞台を見据える若き才能に迫ったインタビュー連載。今回は日本の女子フィギュアスケート界に現れた次世代スケーターの1人で、15歳の誕生日を迎えたばかりの中井亜美(TOKIOインカラミ)だ。世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得し、シニアのトップ選手が出場する全日本選手権で4位に入るなど大きな飛躍を遂げた今シーズン。中編ではスケーターとして大きな転機となった、中学進学時の「MFフィギュアスケートアカデミー」入りと千葉への移住について。12歳で地元の新潟を離れる決意をした背景について話を聞いた。(取材・文=松原 孝臣)

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 中学2年生で臨んだ2022-2023シーズンは、中井亜美にとって飛躍の1年となった。

 世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得、全日本選手権ではシニアの選手たちと競うなか、フリーでトリプルアクセルを2度成功させて4位。脚光を浴びた中井の成長を支えた1つに、中学進学時に指導環境を求め、生まれ育った街を離れて移り住むという決断が大きく関わっている。

 中井はもともと新潟市出身であり、当地でスケートに励んでいた。

 小学3年生の時に全日本ノービス選手権(ノービスB)に初めて出場し、翌年は優勝。小学5年生で出場した全日本ノービス選手権(ノービスA)ではトリプルアクセルに挑み、小学6年時には表彰台に上がり推薦で全日本ジュニア選手権に出場するなど 次代を担う候補の1人として注目される存在になっていった。

 ただ、中井本人の中に満足感はなく、このままではいけないという思いがあった。

「成績がまったく伸びないし、小学4年生の時の全日本ノービスで優勝してからは落ちてしまっていました」

 そう捉えていた。特に気になっていたのは、「ジャンプの安定感に欠けていることもありましたが、スケーティングも駄目でした」。フィギュアスケートの根幹とも言えるスケーティングの部分が課題であると感じていた。

 やがてある思いが湧いてきた。

「もっと上手な選手たちと一緒に練習したいと、だんだん思うようになりました」

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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